研究課題/領域番号 |
11650732
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
神谷 修 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60113891)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 微生物腐食 / 微生物加工 / 鉄酸化細菌 / チオバチルスフェロオキシダンス / マイクロマシニング / MIC / 金属組織 / バクテリア / 加工 / 腐食 |
研究概要 |
本研究では,バクテリアによる金属組織加工の可能性を明らかにした。チオバチルス族のバクテリアのうち、チオバチルスフェロオキシダンス(TFO)という鉄酸化細菌に注目し、鉄鋼の微細加工について検討した。はじめに、鉱山廃水から採取した多種のTFOが混在する培養液を用い、次に遺伝子的に明らかにされた純粋菌を用いた。酸性度がPH2の硫酸酸性培養液(9K培地)中でTFOを培養し、鉄鋼を浸漬させるとフェイライトーパーライト金属組織のうち主にフェライトが優先的に加工されることがわかった。しかも、微細なフェライトとセメンタイトの層状組織からなるパー-ライトのうち、セメンタイトが残留する傾向にあることが明らかとなった。これにより、セメンタイトの骨組み構造からなる微細な立体構造物を形成することができた。セメンタイトの残留をさらに検証するために、過共析鋼を培養液に浸漬した。その結果、加工速度は生菌の場合無菌の,8倍以上になり、しかも生菌の場合では明らかに、セメンタイトが残留することがわかった。TFOは、硫酸酸性化で発生した2価の鉄イオンを3価に酸化するときに発生するエネルギーを利用して活動している。3価の鉄イオンは強い酸化性を示し、無菌状態ではほとんど存在しない。このTFOの存在による3価の鉄イオンが、フェライト部を加工し、金属間化合物であるセメンタイトは加工し難かったものと考えられる。以上のことより、TFOを用いて、金属組織選択的なマイクロマシニングの可能性が検証された。
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