研究課題/領域番号 |
11650742
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤本 愼司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70199371)
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研究分担者 |
柴田 俊夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90001205)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 不働態 / 半導体 / 光電気化学 / ステンレス鋼 / 表面改質 / 腐食防食 / X線光電子分光 / 水晶微量天秤法 / 不働態皮膜 / 紫外光 / 半導体酸化物 / 光励起 / 量子効果 / Cu |
研究概要 |
これまでに、酸性水溶液中でFe-Cr合金あるいはSUS304ステンレス鋼の不働態化中に紫外光を照射すると生成した不働態皮膜中のCr濃縮がさらに促進され、その結果、塩化物環境での耐孔食性が改善されることを明らかにしてきた。本研究では、塩化物イオンを含む中性水溶液中でSUS304鋼の不働態化中に紫外光を照射すると、同様にCrの濃縮が促進され、同時に孔食電位の上昇が認められた。このとき、光電気化学応答ならびに電気化学インピーダンス特性を測定したところ、不働態皮膜はn型半導体としての特性を示し、紫外光の照射によってドナー密度が増加することが分かった。一方、紫外光の照射による励起電子・ホール対の生成が直接の原因となるバンド構造の変化は殆ど認められなかった。上述の、紫外光照射によるドナー密度の増大は励起電子・ホール対の再結合にともなうエネルギー放出による欠陥の生成の結果生じたと考えられ、このことは皮膜内のイオン特に鉄イオンの外向拡散を容易にし、鉄イオンの優先溶解を促進することにより皮膜内クロムの濃縮が加速されたと考えられる。 一方、純銅の湿潤環境での微量腐食に及ぼす紫外光照射の影響を検討した。紫外光照射がないとき、銅の酸化速度は温度、酸素分圧、湿度の増加とともに増大するが、紫外光照射により酸化速度は気相の酸素分圧に殆ど依存しなくなった。これは、銅表面に形成される吸着水膜中の酸化ポテンシャルが紫外光の照射により一定に制御されたと考えられる。
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