研究課題/領域番号 |
11650757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
月橋 文孝 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60155348)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 分子動力学 / 熱力学 / 状態図 / ポテンシャル関数 / 精錬 / フラックス / ふっ化物 / 酸化物 / 分子動力学法 / ポテンシャル |
研究概要 |
金属精錬において測定困難な溶融酸化物の熱力学的性質を計算により求めることができれば、精錬プロセスへの利用に非常に役立つことができる。液体や合金融体のような規則性のない凝縮相の物性を予測するには、分子動力学法のような分子シミュレーション法は非常に有効な方法である。本研究では、イオン性融体に分子動力学法を適用して種々の熱力学的性質を計算により求める方法を確立することを目的とした。 本研究では精錬プロセスで用いられるフラックスで、これまでに実験的に測定の困難なフラックスの熱力学的物性値を予測することを念頭におき、まず、Ca-CaO-CaF_2系のようなカルシウムと酸化物とふっ化物もしくは塩化物の融体を対象として計算方法を確立することとした。 分子動力学法の計算に必要なポテンシャル関数をフラックスの構成成分であるCaO、CaF_2、CaCl_2、BaO、BaF_2などの分子について検討した。イオン性結晶に用いられるポテンシャル関数には種々の形があるが、すべての物性値をよく再現できるようなポテンシャルは見つかっていない。本研究ではBorn-Mayer型ポテンシャルおよびソフトコアポテンシャルを用いて、Cao、CaF_2、BaO、BaF_2などの化合物の格子定数および融点の計算値が実測値と一致するようにポテンシャルのパラメータを決定した。また、すでに他の方法で求められている化合物のパラメータと比較検討を行った。このようにして決定した各化合物のポテンシャルを用いてCaO-CaF_2、CaF_2-BaF_2、BaO-BaF_2系Gibbs自由エネルギーを求め、各系の安定性について検討を行い、それぞれの系の状態図を作製した。また、各成分の活量などの熱力学的諸量を計算により求めた。 本方法により、測定が難しいフラックス系の状態図などの熱力学的性質を、計算により求めることの可能性が示された。
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