研究課題/領域番号 |
11650824
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物・生体工学
|
研究機関 | 北九州工業高等専門学校 |
研究代表者 |
畑中 千秋 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (80180884)
|
研究分担者 |
後藤 宗治 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 講師 (40259966)
井手 俊輔 (井出 俊輔) 北九州工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (10041550)
原口 俊秀 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 教授 (00038598)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 環境安全工学 / 排水処理 / アンモニア除去 / 硝化 / 脱窒 / 中空糸型バイオリアクター / ポリスルフォン / 富栄養化 |
研究概要 |
孔径0.2μのポリスルフォン中空糸の表面をポリビニルアルコール(PVAと略記)でコーティングし、親水化処理した。これを束ねてポリウレタンでポッティングし中空糸エレメントを作製した。この中空糸エレメントを1.51のジャケット付きガラス管に装着して、有効接触面積0.7m^2のリアクターを製作し、内部に空気、外部に硫酸アンモニウムおよび炭酸ナトリウムを含む人工排水を流してアンモニアの連続酸化を行った。この場合、120mg-N/1・h程度の硝化速度が得られ、従来のリアクターに比べて10倍以上の高効率化が可能なことが示された。脱窒菌についても硝化菌と同様に中空糸表面に効率よく固定化されることがわかった。この場合、硝酸から分子状窒素への還元反応が効率よく行われることがわかった。脱窒菌の増殖に当たっては有機炭素源が必要であり、硝酸態窒素量と総有機炭素量(TOC)の比(TOC ratio)が脱窒速度に大きな影響を及ぼし、TOC ratio 3.0以上で脱窒率が100%に達することがわかった。 中空糸型バイオリアクターの最適化検討により、硝化リアクターにおいて、硝化速度(r[mg-N/L・h])はアンモニア濃度(C[mg-N/L])に依存し、r=17.8C^<0.66>に近似されるこを明らかにした。また、中空糸内部からの酸素の移動において酸素の拡散速度を他のバイオリアクターの10倍以上に高める可能性が示された。更に、菌体薄膜であるため物質移動の抵抗が極めて小さく、これらの相乗効果によって硝化の効率を他のリアクターの50倍以上に高め得ることが示された。1.5年間に亘る連続運転の結果、アンモニア性窒素濃度が20ppmの場合、硝化速度は約120mg-N/L・hの一定値を示し、安定運転が可能であった。一方、脱窒についての最適化検討の結果、有機炭素源としてメタノール、エタノール、エタノールアミン等が使用可能なことが示された。この場合、脱窒速度(r[mg-N/L・h])の濃度依存性はr=24.8C^<0.47>に近似されることがわかった。 これらの基礎的検討の結果を踏まえ、北九州市浄化センターに実証プラントを建設し、実排水を用いた実証試験を行った。実排水中のアンモニア性窒素除去は脱窒反応によるBOD除去と硝化反応を組み合わせた脱窒・硝化連続プロセスが有効であり、これによって100mg-N/*・h以上の窒素除去速度が達成された。1年間に亘る連続運転でのリアクターの耐久試験の結果、ポリスルフォン中空糸の物理的、化学的損傷は全く問題は無く安定運転の可能なことがわかった。
|