研究課題/領域番号 |
11650863
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
井手本 康 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (20213027)
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研究分担者 |
小浦 延幸 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90084459)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 標準生成エンタルピー / 電池特性 / 置換効果 / リチウム二次電池 / 正極材料 / 結晶構造 / 熱力学データ / リチウム含有マンガン酸化物 / 溶解熱 / カロリーメトリー / 熱力学 |
研究概要 |
種々ある機能性酸化物の中で、本研究ではLi二次電池用正極材料を取り上げた。これらの熱力学データーを求め、その熱力学的な安定性などの知見を得て、より高性能な正極材料を得るための指針を提供し、設計することを目的とする。ここでは、LiMn_2O_4のMnサイトを3価のAlで置換させたLiMn_<2-x>Al_xO_4及びLi_<1.1>Mn_<1.9-x>Al_xO_4を合成し、電極特性と熱力学的安定性との関係について比較検討を行った。また、他の異種金属置換体についてもそのモデルを想定し、格子エネルギー、電子状態などの検討を計算により試みた。 LiMn_<2-x>Al_xO_4及びLi_<1.1>Mn_<1.9-x>Al_xO_4の単一相試料を合成し、物性を検討した結果、Alの置換量の増加によりMnの価数が増加し、格子定数が減少した。これらの試料の粉末中性子回折による構造解析の結果、Alで置換することにより(Mn,Al)-Oの結合距離が短くなること及び200Kにおける立方晶から斜方晶への相転移が抑制されることが分かった。また、Alの置換量の増加に伴い、初期放電容量、平均作動電位は減少するが、サイクルに伴う放電容量の低下が抑えられる傾向が得られた。さらに、各試料について標準生成エンタルピーΔ_fH^0及び反応のエンタルピー変化ΔHを求め、AlまたはAl+Liの置換量が増加すると、熱力学的に安定化した試料が得られることが分かった。さらに、理論的に他の異種金属置換体の熱力学データと電池特性の関係を予測、検討する第一歩として、格子エネルギーを算出し、充電反応前後の熱量変化を算出した。これより、サイクル特性を左右する熱力学的な要因として、正極活物質自体の安定性に加え、電池反応前後における熱量変化も大きく影響を及ぼすことが示唆された。また、DV-Xα法による電子状態の検討も行った。
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