研究課題/領域番号 |
11650874
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
馬場 章夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20144438)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | インジウム化合物 / 還元剤 / スズヒドリド / ラジカル反応 / ヒドロシラン / ルイス酸 / アルコール / 脱酸素反応 / インジウム / 還元 / 脱ハライド / Friedel-Crafts / 脱酸素 |
研究概要 |
本研究では新しいインジウム活性種の発生法およびその合成的利用法の開発を目的としたものである。具体的には(1)インジウムヒドリドの合成的利用(2)インジウム-ケイ素の組み合わせによる新規ルイス酸の利用。を行った。 (1)合成的な利用がいままでに報告されたことのない全く新しい還元剤インジウムヒドリドを開発した。インジウムヒドリドがスズヒドリドと塩化インンジウムから容易に生成することを見いだし、その還元選択性を検討した。中でも酸塩化物の還元反応ではハロゲン部分のみと反応しアルデヒドを選択的に与えるといった他の還元剤では不可能な選択性を達成した。また、各種の臭化アルキル、ヨウ化アルキルを容易に還元し、触媒量の塩化インジウムの使用で十分反応が進行することを見いだした。さらに本反応がラジカル反応で進行していることをつきとめ、ラジカル環化反応へと適応した。特に本反応の特徴は室温という温和な条件で反応が進行することであり、高温条件を必要とする従来法に比べて大きな利点が有ると言える。また、インジウムヒドリドに代えて、アリルインジウムの効率的合成も達成し、酸塩化物とのカップリングで選択的にホモアリルケトンを得た。以上の反応において配位子オスフインによりインジウム活性種の反応性を制御できるという興味有る事実も見いだした。 (2)塩化インジウムがヒドロシランとの組み合わせにより新規ルイス酸として作用することを見いだした。芳香族化合物に対するカルボニル化合物の還元的Friedel-Craftsアルキル化が効率良く進行し、適応範囲を明らかにした。さらにケトン類の効率的脱酸素反応を達成した。また、反応機構の検討を詳細に行なった過程で、アルコールの脱酸素反応も効率良く進行することを明らかにした。アルコールの脱酸素反応では芳香族のみならず、脂肪族ケトンにも適応できる条件を確立した。さらに、本ルイス酸系はカルボニル化合物の脱酸素的官能基導入反応に広く適応可能であることがわかった。
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