配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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研究概要 |
1.α-、β-、および、γ-パー-Ο-メチルシクロデキストリン(MeCD)が、カチオン性開始剤によって開環重合し鎖状のポリグルコピラナン誘導体を生成することを見いだした。 2.上記3種のモノマーの重合反応性は、通常の開環重合とは異なり環歪みの小さいもの程高くなる(α<β<γ)ことが分かった。これは、CD特有の空洞構造に由来する。すなわち、成長末端(オキソカルボカチオン)の攻撃を受けるグリコシド酸素が空洞の内側に存在するため、重合が進行するためには、成長末端は空洞内に入る込む必要があり、大きな空洞を持つモノマー(α<β<γ)程、それが有利になるからだと考えられる。 3.γ-MeCDの重合では、条件を選べば、ほぼモノマー重合度毎(分子量1633置き)の分子量分布を持った特異な糖鎖高分子が得られることが明らかとなった。 4.官能基化開始剤と適当な活性化剤を用いることによって、MeCDを重合させると、ある程度まではポリマーの開始末端に官能基を導入できるこが分かった。 5.MeCDはTHFと共重合し、対応する天然-合成ハイブリッド高分子を与えることが分かった。 6.シクロデキストリンを構成する各グルコースユニットの6位の水酸基を様々な置換基(OAc, Br, Cl, H)に変換した修飾MeCDも同様に開環重合することを見いだした。 7.シクロデキストリンの数ある水酸基の内、グルコースユニットの2位の水酸基をひとつだけ異なる置換基(OCH_2Ph, OAc, OC(=)ONMe_2, OC(=O)NH^nBu, OC(=S)SMe)に変換したMeCDを合成することに成功した。その置換基が重合に及ばす効果については、現在精査中である。
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