研究課題/領域番号 |
11660011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
寺田 理枝 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30137799)
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研究分担者 |
稲垣 善茂 (稲垣 喜茂) 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (50280764)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ターゲティング / イネ / アグロバクテリウム法 / ジフテリア毒素タンパク / ネガティブ選抜マーカー / ジフテリア毒素(DxL-A)遺伝子 / Waxy / DFR / ターゲッティング |
研究概要 |
本研究では外来遺伝子と染色体を含むゲノム動態に関わる高次の遺伝子発現機構の解明に向けて、イネの特定の遺伝子をゲノム上の本来の座位で組換えたターゲティング植物の作出法の開発を試みた。標的遺伝子としては澱粉合成に関わるWaxy遺伝子座、及びアントシアニン合成に関わるDFR(dihydroflavonol-4-reductase)遺伝子座を選択した。ターゲティング用ベクターは、標的遺伝子と置き換えるためのマーカー遺伝子、相同組換え引き起こすための標的遺伝子の相同領域の配列、通常の遺伝子導入から相同組換えによる遺伝子導入を識別するために用いるネガティブ選抜マーカーを含んでいる。相同組換えによってターゲティングを引き起こすため、上記標的遺伝子のクローニングを進め、相同組換え領域とポジティブ・ネガティブ選抜マーカーを持つターゲティング・ベクターを完成した。植物の体細胞で相同組換えの生じる頻度は極めて低いと予測されることから、相同組換え体を捕えるための高頻度のアグロバクテリウム形質転換法を開発した。その結果、従来の方法にくらべて極めて高頻度の遺伝子導入効果が得られ、1回の実験で600〜1200個の独立の形質転換カルスが得られるようになった。さらにこの形質転換法を用いて、ターゲティングベクターに用いたネガティブ選抜遺伝子、すなわちジフテリア毒素タンパクのA鎖(DT)遺伝子の致死効果を調べたところ、99%以上の致死率を得ることができた。作成したWaxy遺伝子座を標的としたターゲティングベクターを用いてターゲティングを試みたところ、一回の実験でおおよそ50〜60個のカルスが、ポジティブ・ネガティブ選抜後に生き残ってきた。これらのカルスでターゲティシグが生じている可能性に関して、現在PCRを用いて解析中である。このように、イネの遺伝子ターゲティングを行うために必要不可欠な基礎データーを蓄積しつつあり、これらの成果を基に、今後、さらなる研究を行っていく予定である。
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