研究課題/領域番号 |
11660040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 南九州大学 |
研究代表者 |
山口 雅篤 南九州大学, 園芸学部, 教授 (10125180)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 枝変り / 花色変異 / マリル化アントシアニン / 生合成経路 / 花色素 / サイクリックアントシアニン / フラボノール / 液胞 / アントシアニン / アシル化酵素 / サイナスブロッチ / アリル化アントシアニン / 配糖体化酵素 |
研究概要 |
初年度の研究において、カーネーションの多くの枝変り品種群について花色素アントシアニンの分析を行った。得られた結果を花色や花色素の変異の方向とアントシアニン生合成経路と関連付けて整理した。その結果、花色は主要な花色素の組成に対応して変異し、変異の内容は色素の質的なものと量的なもの分けられ、質的な変異に対応する遺伝子は、'バーバラ'familyにおいては配糖体化酵素(5GT)のM遺伝子が、'テッシーノ'familyにおいては、水酸化酵素(F3'H)のR遺伝子が主流であった。数少ない質的な変異として前者において、アシル化酵素(3AT)のAc遺伝子が関与していた。量的な変異については複数のS遺伝子が関与していると推定された。次年度の研究において、上記2種類の枝変り品種群を用いて粗酵素液におけるアシル化(3AT)と配糖体化(5GT)の活性をで調査した。その結果、活性有機酸がスクシニルCoAの時僅かな活性が認められ、マロニルCoAでは全く認められなかった。また、配糖体化については、脱アシル化アントシアニンでは全く活性が認められず、アシル化アントシアニン(Cy3MG、Pg3MG)では僅かな活性が認められた。従って、アシル化は5位での配糖体化の前に位置することが示唆された。しかし、カーネーションではさらなる酵素のアッセイ系の確立が必要と考えられる。花弁表皮細胞におけるアントシアニンの分布を表皮細胞の切片を調製して調査した。その結果、青紫色の変色系統(脱アシル化アントシアニン系品種)においてのみ、アントシアニンは液胞内に拡がらずに塊状に存在していた。従って、Ac遺伝子の変異は、色素の液胞内での拡がりの変異に対応していた。また、枝変り品種の全ておいて、花弁の切れ込みに認められる花弁内の花色の変異(サイナスプロッチ)は、枝変り元の親の色と同様であり、これらの色素組成も同様であった。以上の結果を総合して、カーネーションの枝変り品種群の変異の方向の機構をアントシアニン生合成上に位置付けてさらに考察を行った。
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