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植物による環境修復:師管転流からみた高CO_2濃度に対する植物の応答

研究課題

研究課題/領域番号 11660063
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 植物栄養学・土壌学
研究機関広島大学

研究代表者

藤田 耕之輔  広島大学, 生物生産学部, 教授 (90002170)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードダイズ / CO_2富化 / ^<13>C / ^<15>N / 硝酸 / 莢切除 / 分配 / シンク / 高CO_2濃度 / 転流率 / 分配率 / 蒸散速度 / 夜間
研究概要

植物による環境修復を行うための基盤的研究を実施した。本年度は、高CO_2濃度に対する植物の応答について、光合成産物の転流および窒素化合物の転流・代謝を主体に調査した。
供試植物として子実肥大期のダイズ(枝豆用品種:グリーンホーマー)を用い、高CO_2濃度処理と莢切除処理を組み合わせて行い、処理後10及び17日に葉より同化した^<13>Cおよび^<15>Nの挙動に対する影響を3日間に渉って調査した。
その結果、[I](1)高CO_2処理によって生育が促進され、莢生長が特に顕著だった。また、この場合、茎の糖・デンプン濃度が上昇した。(2)^<13>C転流率は高CO_2処理によって変動しなかったが、^<15>N転流率は低下した。窒素化合物の転流率が高CO_2処理により低下した要因は必ずしも明確ではない。(3)茎・葉柄のアミノ酸濃度や組成は高CO_2処理によってやや上昇し、アスパラギン・GABA濃度が高まる傾向を示した。また、処理による茎・葉柄のアミノ酸の^<15>Natom% excessの変動も小さかった。[2](1)莢切除によって^<13>Cおよび^<15>N転流率は低下した。(2)茎・葉柄の糖・デンプン濃度は上昇した。また、アミノ酸濃度も上昇し、特にアスパラギン、アスパラギン酸およびプロリン濃度の上昇が著しかった。^<15>Natom% excessはアスパラギン・アスパラギン酸よりもセリンやGABAなどでより顕著に上昇した。すなわち、莢切除によりシンク能が低下すると葉から転流してきた窒素化合物の多くは転流形態として茎・葉柄に止まるが、その一部は他アミノ酸などへ代謝されることが示唆される。以上の結果より、高CO_2処理下では光合成能が直ちに上昇するが、その上昇に炭素化合物のシンク能が対応して高まるため光合成産物の転流率は高く維持される。一方、この処理下では、窒素化合物の転流率は低下し、葉柄・茎などに滞留するが代謝される可能性は小さい。このように、大気CO_2濃度が上昇すると、ダイズでは光合成能は高まるが、これと対応して炭素シンク能は増大するが、窒素シンク能は増大せず、このことが生産能の制限要因として働く可能性が示唆される。

報告書

(3件)
  • 2000 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1999 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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