研究課題/領域番号 |
11660091
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
和泉 好計 鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)
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研究分担者 |
大城 隆 鳥取大学, 工学部, 助手 (00233106)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ジベンゾチオフェン / 脱硫菌 / szA / DszC / Rhodococcus属細菌 / フラビンレダクターゼ / DszA / ビオチン / BioB / bioB |
研究概要 |
炭素-硫黄結合(C-S-C)の形成と開裂を触媒する酵素類(ビオチン合成酵素,DBT脱硫酵素系)について酵素化学的・タンパク質化学的特性、必須因子の解明、反応機構の解明,ならびにビオチン生産および石油脱硫プロセス開発への応用の基礎的成果を得ることを目的として行った。当該期間における本研究の研究成果は次のようにまとめられる。 (1)ビオチン合成酵素に関する研究:ビオチンの生合成経路の最終段階の酵素、ビオチン合成酵素(bioB遺伝子産物、BioB)中のFe-Sクラスターの硫黄が直接DTBへ導入されることが明らかにされているので、本研究ではBioB中のFe-Sクラスターを構成する蛋白質が存在すると仮定し、この蛋白質を同定することを目的として(a)BioB高発現株を作製した.(b)フラボドキシン(FLD)高発現株を作製した。(c)作製した高発現株の無細胞抽出液から均一なFLDを取得した.(d)フラボドキシン還元酵素(FLDR)高発現株を作製した。(2)DBT脱硫酵素系酵素に関する研究:(a)DBT脱硫菌Rhodococcus erythropolis KA2-5-1由来DszBを単一に精製し性質を検討し、熱安定性が低かった.(b)高発現プラスミドpET-21aを用いてR.erythropolis D-1由来フラビンレダクターゼの大量発現と精製を行い、比活性が無細胞抽出液に比べて660倍上昇した電気泳動的に単一な標品を得た。本酵素は四量体構造を有し、サブユニット分子量は22kDaで、フラビンを補欠分子族として含有していなかった。電子供与体としてはNADHに対してのみ作用し、NADPHを基質とすることはできなかった。電子受容体に対する基質特異性も低くFMN以外にはわずかにFADを基質とすることができたが、活性は10%程度にとどまった。また、既知のフラビンレダクターゼが基質とすることができる芳香族ニトロ化合物に対する活性は有していなかった。本酵素の反応至適温度は35℃であったが、80℃で30分間処理した後も30%の活性を保持しており、熱安定性は高いと判断された。本菌株の全DNAを鋳型としたPCRにより本酵素遺伝子を増幅してクローニングを行い、大腸菌内で高発現化させた。その結果、無細胞抽出液中の本酵素の比活性は、R.erythropolis D-1に比べて275倍上昇し、可溶性タンパク質中の約3分の1を本酵素タンパク質が占めていた。(c)高発現プラスミドpET-21aを用いてD-1由来DszA、DszCの大量発現と精製をおこなった.(d)D-1株はDszC,DszA,DszBおよびフラビンレダクターゼの4つの酵素により脱硫反応を触媒する.D-1株のフラビンレダクターゼを精製し、脱硫微生物が生産するフラビンレダクターゼを詳細に明らかにしたのは今回が初めてであり、また、既知のフラビンレダクターゼとサブユニット構造や基質特異性の点で違いが認められた。
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