研究概要 |
1.De-N-methylpamamycinの単離・構造決定と活性評価 Streptomyces albonigerが、pamamycinのジメチルアミノ基がモノメチルアミノ基に置換したde-N-methylpamamycinを生産することを見いだし、分子量593と579の3種類のモノメチルアミノ誘導体を単離・構造決定した。その活性をpamamycinの活性と比較した結果、de-N-methyl化によって気菌糸誘導活性は約1.4倍に増加し、生育阻害活性は逆に0.6〜0.9倍に低下する傾向がみられた。 2.側鎖長の長い新規pamamycin誘導体の生産条件の検討と単離構造決定 Streptomyces sp.HKI-0118の生産する側鎖長の長い新規pamamycin誘導体を精製単離した。新規誘導体はpamamycin-607より1または2メチレン側鎖の長い構造を有し、homopamamycin-621およびbishomopamamycin-635と命名した。 3.N,N-Didemethylpamamycinの探索 1.の実験でpamamycinのジメチルアミノ基のメチル基がメチオニン由来であることを明らかにし、アミノ基を有する化合物がpamamycinとde-N-methylpamamycinの生合成前駆体と推定された。そこで、メチル化阻害剤の添加による前駆体N,N-dide-methylpamamycinの探索を行った。その結果、DL-ethionineの添加培養物中に、目的物質が微量ではあるが存在していることを確認した。 Homopamamycin-621、bishomopamamycin-635とN,N-didemethylpamamycinの大量分取と気菌糸誘導活性・生育阻害活性の測定により、pamamycinの側鎖部分の構造活性相関が明らかになり、気菌糸誘導活性あるいは生育阻害活性のみを有するpamamycin誘導体創製への鍵が明らかになると期待される。
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