研究課題/領域番号 |
11660130
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
|
研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
菅野 道廣 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (70038181)
|
研究分担者 |
古場 一哲 長崎県立シーボルト大学, 巻後栄養学部, 講師 (30290638)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 共役リノール酸 / 共役リノレン酸 / セサミン / 白色脂肪組織 / 褐色脂肪組織 / 脂肪酸β酸化 / レプチン / ラット・マウス / 腫瘍壊死因子α / ラット / セサミン(ゴマリグナン) / TNF-α |
研究概要 |
共役リノール酸(CLA)と食品中の脂肪酸代謝活性化機能性成分でるセサミン(ゴマリグナン)との協同作用による脂肪酸代謝の修飾と体脂肪低減の効率化を目途して、まずラットを用い摂食実験を行い、作用機構に関し血清の肥満関連サイトカイン濃度および肝臓の脂肪酸β酸化活性を測定した。その結果、純化飼料への1%CLAおよび0.2%セサミン添加の条件下で、睾丸周辺脂肪組織の重量減少に対する協同効果が認められ、とくに食餌タンパク質が大豆タンパク質の場合効果は顕著であった。褐色脂肪組織の重量はこの組み合わせで増加した。セサミン摂取で肝臓ミトコンドリアおよびペルオキシゾームのβ-酸化活性はともに上昇した。これに対し、血清のレプチンおよびTNF-α濃度には明確な影響は認められなかった。一方、マウスの実験では、白色脂肪組織(副睾丸および賢臓周辺)の重量はいずれもCLA摂取で著減し、これと平行して血清のサイトカイン濃度も著減した。しかし、セサミンの併用効果は明確でなかった。さらに、α-リノレン酸の共役酸についてラットを用い検討し、このタイプの脂肪酸はCLAよりも強い脂肪酸酸化促進効果を発揮することが示唆された。 また、CLAは多価不飽和脂肪酸の代謝系への影響を介して、脾臓リンパ球での免疫グロブリン産生を刺激する可能性が観察され、その多様な生理機能が推察された。 以上の結果は、実験動物種によって応答はかなり異なるが、脂肪酸代謝を亢進する食品成分の適当な組み合わせによってCLAの効果が高められ、体脂肪の効率的低減だけでなく、免疫機能へも好ましい効果をもたらす可能性を示している。
|