研究課題/領域番号 |
11660132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
舛重 正一 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (70078153)
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研究分担者 |
梅原 泰祐 東京農業大学, 応用生物科学部, 助手
喜田 聡 東京農業大学, 応用生物科学部, 講師 (80301547)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ビタミンA / 精子形成 / レチノール / レチノイン酸 / CREB / CREM / 転写調節 / mRNA expression |
研究概要 |
精子形成過程で発現する転写調節因子は数多く知られているが、それぞれの役割の解析はほとんど行われていないのが現状である。一方、ビタミンA(V.A)欠乏動物では、精子形成が精原細胞で停止し、レチノール投与により精子形成が再開される。また、レチノールは生体内でレチノイン酸に代謝され、核内受容体に結合することで遺伝子発現を制御している。従って、精子形成過程において、レチノイン酸によってその遺伝子発現が制御され、次段階の分化を亢進する転写調節因子のが予想され得る。そこで、本研究ではV.Aによって遺伝子発現が制御される転写因子を検索した。A欠乏ラット及び、A欠乏ラットにall-transレチノイン酸を投与したラットの精巣を用いて、様々な転写調節因子群の発現解析を行った。その結果、レチノイン酸投与により、cAMP responsive element modulator(CREM)のmRNAレベルの減少が観察された。さらに、定量的RT-PCR法を用いて、選択的スプライシングにより産生される様々なCREMアイソフォームの発現量の変化を解析したところ、活性型のアイソフォームの一つであるCREMτの発現量がレチノイン酸の投与に伴って減少することが明らかとなった。従って、精原細胞のレベルではCREMτの発現はレチノイン酸により負の制御を受けることが示唆された。また、CREMと精子形成過程で相互作用することが明らかにされている、ACTに関してもレチノイン酸により発現量が負に制御されることを示す示唆的なデータも得られている。さらに、精子形成過程におけるレチノイン酸受容体を起点としたCREM遺伝子の発現制御の役割を明らかにすることを目的として、CREを介する転写の活性化によりレポータータンパク質(GFPとβ-ガラクトシダーゼ)を発現するレポーター遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを10ライン作出し、レチノイン酸投与後にCREを介する転写活性が実際にどのように変動するのかに関して解析を進めている。 一方、精子形成過程におけるレチノイドの代謝調節を解析し、レチノイドによる精子形成の制御メカニズムを明らかにする目的で、レチノイン酸投与後の様々なレチノイド代謝酵素遺伝子群の発現量の解析を行った。レチノール投与によりレチノールデヒドロゲナーゼIの発現量の減少が観察され、精子形成過程では精巣自身でレチノイド産生をコントロールして、レチノイド濃度を一定に保っていることが示唆された。
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