研究課題/領域番号 |
11660148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
芝 正己 京大, (連合)農学研究科(研究院), 助教授 (20144339)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 森林景域 / 断片化 / 林相パッチ / モザイク / 伐区 / フラクタル次元 / 形状指数 / 数値実験 / 伐採 / GIS / 画像解析 |
研究概要 |
森林景域の断片化(fragmentation)とは、森林伐採や林道開設に伴う人為的攪乱の結果として、複雑なモザイク状の「林相パッチ」が形成される過程であり、攪乱後の景域遷移や回復程度の時間的・空間的スケールを推定する上で、これらのパッチ形状や配置、パッチ間距離・分布特性等を定量的に把握することがまず重要な作業となる。前年度は、その基礎作業として、1ソースデータの収集、2パッチマップの作成、3パッチ形状・分布統計量の推定の3課題に的を絞って研究を進めた。本年度は、その基礎的解析部分を発展させ、人工林施業地域を対象とした林相パッチの形状特性、特に面積(area)-周長(Perimeter)の相関溝造に基ずくフラクタル次元(fractal dimension)による推定法について、数値実験及びGISデータを用いた解析事例により検討した。まず数値実験においては、実際の伐区形状に近似させた4つの基本的な幾何学図形を用いて、パッチ数や図形間の混合条件によってフラクタル変動量(回帰係数)と線形変動量(切片)がどのように変化するかを検証した。その結果、(1)いずれの図形でもパッチ数に関係なく推移されるフラクタル次元は理論値に一致すること、(2)線形変動量は図形に応じた固有値を与えること、(3)各図形を混合したフラクタル推定値が理論値と必ずしも一致しないこと、(4)パッチ数に呼応して線形変動量が変化すること(適合度に依拠)等が明らかとなった。そこで、パッチ形状の多様性、混交度、大きさ、数量等に影響されない新たな形状指標値として、正方形からの歪度を尺度とする形状指数を導出・提案し、京都大学和歌山演習林の森林基本図(1:5,000)から抽出した174個の林相パッチ(人工造林地)を事例とした解析に応用した。その結果、近正方形に対する一定の閾値を設定することで、パッチ形状の大きさや数量、林縁凹凸に影響されない安定した推定値が得られることが確認された。このことは、パッチ単位の形状特性の計量化が森林被覆の属性や空間スケールに影響されることなく実行されることを示唆している。
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