研究課題/領域番号 |
11660160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
磯貝 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40191879)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | セルロース / キチン / TEMPO / 生物分解性 / 酸化 / 機能化 / 生物代謝性 / ポリウロン酸 / セロウロン酸 / カルボキシル基 / グルクロン酸 |
研究概要 |
1.再生セルロースからさまざまな分子量を有する水溶性のセロウロン酸(β-1,4-ポリグルクロン酸)を調製するためには、TEMPO触媒酸化過程での分子量低下をできる限り抑えなけばならない。そこで、TEMPO、NaBr、NaClO、pH10〜11の組合せでセロウロン酸を処理し、その分子量分布を測定することにより、分子量低下の機構を検討した。その結果、TEMPOとNaBrO(NaBr+NaClO)の組合せによって副生するラジカル成分がセロウロン酸の分子量低下の要因になっていることが示された。すなわち、pH10〜11の処理によるβ脱離や個々の試薬はセロウロン酸調製時の分子量低下に関与していないことが明らかになった。 2.そこで、各種のラジカル捕捉剤の添加によるTEMPO触媒酸化を試みた。t-ブチルフェノールを共存させた場合には、分子量低下をやや抑えることができたが、塩化マグネシウム、亜二チオン酸ナトリウム添加の場合には、分子量低下を抑えることはできなかった。 3.結果的に、分子量が大きい再生セルロース(例えば、リンターパルプの銅アンモニア溶液から調製した中空糸等)を出発物質とすることにより、対応して高分子量のセロウロン酸を調製することができた。 4.再生セルロース以外の多糖類では、αキチン、βキチン、アミロース、アミロペクチン、カードラン、プルランについてTEMPO触媒酸化を適用したところ、いずれの場合も、それらの1水酸基のみが選択的にカルボキシル基に酸化した均一な化学構造を有する水溶性のポリウロン酸を定量的に得ることができた。また、トレハロースのような二量体についても、その1級水酸基の選択的酸化が確認できた。 5.セロウロン酸は粗酵素セルラーゼ処理によって加水分解され、グルクロン酸を与えることが認められた。すなわち、セロウロン酸は生物分解性と生物代謝性を兼ね備えている。
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