研究課題/領域番号 |
11660181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古谷 研 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30143548)
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研究分担者 |
小松 輝久 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (60215390)
乙部 弘隆 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10169328)
岸 道郎 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (90214767)
竹内 一郎 東京大学, 海洋研究所, 助手 (30212020)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 環境収容力 / 三陸リアス式内湾 / 貝類養殖 / 溶存酸素 / セディメントトラップ / PAM / 基礎生産力 / 植物色素 / 植物プランクトン色素 / 自然蛍光 / ホタテ / カキ |
研究概要 |
沿岸養殖における持続的な生物生産を可能にするために必要な水域の環境収容力を調べた。野外実験は三陸リアス式湾である大槌湾で行った。この湾ではワカメやホタテ、カキなど無給餌養殖が活発に行われている。環境収容力を規定する要因として基礎生産力と溶存酸素の変動を把握することが最も重要である。基礎生産力の評価には太陽光励起下での植物プランクトン蛍光、すなわち自然蛍光と励起蛍光を用いるPAM法が有効であり、両方法を大槌湾に適用し、14C取り込み法による検証実験の結果、春夏秋冬の各季節にわたって基礎生産力を精度良く見積もることが出来た。環境収容力を規定するもう一つの要因である溶存酸素については以下の観測結果が得られた。養殖筏下部の底層水では瓶培養により0.26〜3.07mgO_<2_>^<-1>d^<-1>と高い酸素消費が観察された。しかし、見かけの酸素消費は夏季成層期でも0.041mgO_<2_>^<-1>d^<-1>と著しく小さかった。これは、活発な湾内外の海水交換のため底層に絶えず湾外水が供給されているためであると結論され、海水交換の程度が重要であることが分かった。 養殖筏下部から採取された沈降粒子中には常にフコキサンチンおよびその分解物であるフコキサンチノールが多く、珪藻類が活発に摂餌されていたことを示した。また、海水中ではほとんど認められなかった渦鞭毛藻類が沈降粒子中では優占することが認められ、養殖貝類によって選択的に海水中から除去される可能性が高いことが示された。 大槌湾の物理-生態系モデルに養殖貝類を組み入れたプログラムが完成し、養殖活動が大槌湾の物質循環に及ぼす影響が評価可能になった。計算により養殖貝類は湾内の窒素循環において重要な働きをすることが明らかとなった。しかしながら、モデルの予測精度を高めるために貝類の摂餌過程め定式化が不十分であることが判明した。
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