研究課題/領域番号 |
11660183
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
|
研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
兼広 春之 東京水産大学, 水産学部, 教授 (80134857)
|
研究分担者 |
神沼 二眞 国立医薬品食品衛生研究所, 化学物質情報部, 部長 (60113495)
小見山 二郎 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (60016574)
東海 正 東京水産大学, 水産学部, 教授 (30237044)
松田 皎 TOKYO UNIV.OF FISH., FISHEIES, PROFESSOR (90026485)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | レジンペレット / 海域汚染 / 化学汚染物質 / GC / MS分析 / 汚染物質の吸着 / 東京湾 / ハワイ北東域海域 / 海岸漂着量 / 流出源 / 材質分析 / ガスクロマトグラフ質量分析 / 環境ホルモン物質 |
研究概要 |
プラスチックの原料として使用されるプラスチック小粒(いわゆる、レジンペレット)の海洋への流出が新たな海洋汚染問題となっており、海洋に流れ出たレジンペレットを海鳥が飲み込むといった生物被害が数多く報告されており、生物や環境への影響が懸念されている。本研究は、レジンペレットの環境中への流出の実態の解明及びレジンペレットからの環境汚染化学物質の溶出について調査研究を行ったものである。平成11〜12年度の調査研究による成果を以下に示す。 (1)レジンペレットの散乱実態調査を全国の海岸(43ヵ所)について行った結果、ほとんどの海岸でペレットの存在が認められ、ペレット流出が日本の海域に広域的に起こっていることが明らかとなった。海面にもペレットが多数浮遊していることも確認された。 (2)外国の海岸(韓国、バリ島(インドネシア)、オアフ島(ハワイ)及び太平洋海域の海面(ハワイ→日本の航路)調査でもペレットの存在が確認され、ペレット汚染が日本の海域だけでなく世界中の海域でも起こっている地球規模の問題であることが明らかとなった。 (3)広域的な調査の結果、ペレットの排出源が主としてプラスチック生産工場であり、流出がプラスチック成型工場→河川→海→海岸漂着の過程で起こっているもの推測された。 (4)採集したレジンペレットを詳細に分析した結果、ペレットの組成はほとんどがポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)であり、比重が1以下の浮遊性のペレットであった。 (5)東京湾の数ヶ所の海岸から採取したペレット(PP)についてガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)を行った結果、ノニルフェノール、PCB,DDEの各汚染物質が検出され、それぞれの含有量は130-25000ng/g,5-120ng/g,0.16-3.1ng/gであった。現場の海水中におけるバージンペレットの浸漬実験から、時間とともにペレットへのPCB及びDDEの吸着量の増大が認められ、環境水中からペレットへの汚染物質の吸着移行性が確認された。PEペレットのGC/MS分析からも他の汚染物質(BPA)の吸着が確認された。これらの分析結果から、ペレットから検出された汚染物質は海水起源であること、さらにこれらの汚染物質がペレット表面に吸着することによりペレット自信が汚染物質の媒体(運びや)となる可能性が示唆された。
|