配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
1.慢性的ストレスに対する生理学的・形態学的応答 着底直後から3ヵ月間、飼育密度と底質を変えて飼育したヒラメ当歳魚の血漿中コルチゾル濃度は飼育環境により変化しなかったが、間腎腺細胞の核の肥大が高密度飼育した群で観察された。2次的なストレス応答がコルチゾル濃度と対応していないことから、長期的なストレスによりコルチゾルの代謝率が増大していることが示唆された。さらに、ACTH産生細胞の活性を検討するために,Robert Dores教授(デンパー大学)から供与されたACTH抗体を用いて、ACTF産生細胞の核面積の変化を調べた結果,実験開始12週目にはACTH産生細胞の核面積は底砂のない飼育区で有意に大きくなった. 2.急性的致死限界ストレスに対する応答乾出刺激に対する生残率を調べた結果,乾出15分で62.7%〜71.4%、20分で38%〜24%の生残率となり30分の乾出で全個体が死亡した。また,実験開始から5日間、毎朝10分の乾出刺激を与えた群と全く刺激を与えなかった群に対して,6日目に15分の乾出刺激を与えた。連日乾出した群の刺激1時間後の体中コルチゾル濃度は日数の経過とともに低下したが、3日目と4日目に乾出をお行なわなかった群は5日目の刺激の後再び上昇した。6日日では連続的に乾出していた群は全て生残したが、刺激を与えていなかった群の生残率は13.3%と非常に低かった。刺激を与えた群の乾出1時間後のコルチゾル濃度が低い値を示していたことから,コルチゾルの応答強度とストレス耐性の強弱関係が示唆された. 3.輸送ストレスと死亡輸送時に強い刺激を与えた稚魚は与えなかった稚魚よりも明瞭なストレス応答を示したが,生残との関連は認められなかった.しかし,予備実験では小型サイズで強い応答がみられ,死亡率も高く,小型魚では輸送時のストレスが減耗と関わっていることが示唆された.
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