研究課題/領域番号 |
11660204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
豊原 治彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90183079)
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研究分担者 |
横山 芳博 (横山 享博) 神戸松蔭女子大学, 生活, 助教授 (90291814)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ムラサキイガイ / アミノ酸 / タウリン / ベタイン / トランスポーター / 浸透圧 / 環境適応 / 還境通応 / マガキ |
研究概要 |
本研究においては、高い浸透圧順応性を示すマガキを用いて、タウリン輸送にかかわるタンパク質性分子であるタウリントランスポーターに注目して、海産無脊椎動物の優れた細胞浸透圧調節機能を、脊椎動物にはない無脊椎動物に特有のタウリントランスポーターの機能特性から解明することを目的とした。 初年度は、浸透圧変化に暴露されたマガキ組織中の遊離アミノ酸量の変化を検討し、マガキにおいてタウリンが重要なオスモライトであることを明らかにした。この結果を受けて、マガキからタウリントランスポーターのクローニングを試みたが成功しなかった。しかし、マガキと同様に高い浸透圧順応性を備えるムラサキイガイからタウリントランスポーターをコードすると予想される遺伝子断片をクローニングした。 2年目には、初年度に得た遺伝子断片の全長を得、そのアミノ酸配列が、タウリンおよびベタイン/GABAトランスポーターと高い相同性を示すことを明らかにした。また、本遺伝子の浸透圧応答性をノーザンブロット分析によって検討し、高・低浸透圧変化どちらにも応答性を持つことを明らかにした。 3年目には、トランスポーターの輸送特性について検討を試みた。このトランスポーターをアフリカツメガエルの卵母細胞に発現させ、放射能標識した各種アミノ酸、タウリンおよびベタインに対する輸送能を検討した。その結果、タウリンに輸送活性を示したことから、本遺伝子はタウリントランスポーターをコードしていることが明らかとなった。本研究によって、海産無脊椎動物から初めてタウリントランスポーター遺伝子がクローニングされ、その浸透圧適応への関与も明らかにされた。この成果は海産無脊椎動物の浸透圧順応性の解明への大きな第一歩となる。
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