研究課題/領域番号 |
11660230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 日本獣医畜産大学 |
研究代表者 |
松木 洋一 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (10102740)
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研究分担者 |
斉藤 潔 (斎藤 潔) 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (80202076)
酒井 富夫 富山大学, 極東地域研究センター, 教授 (20225767)
秋山 邦裕 鹿児島大学, 農学部, 教授 (20167852)
永松 美希 (植木 美希 / 植木 美希(永松 美希)) 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (80318568)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 企業形態 / 家族農業経営 / 個人経営 / パートナーシップ / 会社経営 / 協同組合経営 / 共同経営 / 公社 / 農業企業形態 / 農業経営体 / 農業生産法人 / アグリフードチェーン / プルーリアクティビティ / 多産業化 / アグリフードチューン / プルーリマクティビテイ / 第三セクター / 営農集団 |
研究概要 |
本研究は、日本の多様な農業経営体を企業形態論から類型化し、その類型間の転換メカニズムを分析することによって、今後の農業経営の主要な担い手の育成対策を検討することを第一の目的とした。すなわち家族農業経営体においても、世帯主の単独所有のもとでの家族協業である「個人経営」形態、家族の共同所有・協業労働・構成員間の平等な負債責任と収益配分権利をもつ「パートナーシップ共同経営」、および資本所有・経営管理・雇用労働力による作業労働体制が分離されている「会社経営」形態の諸形態があり、その異なる経営構造と発展論理を把握することによって今後の日本の家族農業経営の育成対策を検討した。第二に、家族農業経営以外の複数の農業者が組織する農業経営体を対象として、その「共同経営(営農集団)」形態と、「会社経営」形態の相互の経営構造の比較分析を行い、協同化、会社化の転換メカニズムを明らかにした。第三に、農業者のみならず農協や自治体、消費者団体が協同して組織化する第三セクター農業経営体の多角的な経営目的や経営事業を分析して、その経営体の経済論理を把握するとともに地域農業の組織化における機能と役割を明らかにした。第四に、農業経営体の法律的企業形態の変化と農地法等の法的規制の問題を検討した。家族農業経営においても農事組合法人、有限会杜、株式会社などの法人化が進んでおり、その法律形態の選択条件を分析して今後の農業法人育成のための法的政策的体系の整備の方向を検討した。第五に、1990年代後半に至って食品企業、商社、卸・仲卸業、外食企業、スーパーマーケット、生協などの消費者団体が経営規模の大きい農業生産法人と有機農産物・特別栽培農産物の契約栽培を核とするアグリフードチェーンを形成しており、それらの農外企業との連携による新しい農業経営体の設立を分析した。第六に、欧米などの先進国においても個人経営形態の家族農業経営(農家)の減少が著しく、一方で家族パートナーシップ共同経営や家族会社経営の増加が見られるなど、企業形態の選択・転換によっては家族農業経営の育成強化が可能であることを実証した。第七に、EUの農家家族の多様就業プルリアクティビティ論がこの10年間、CAP政策担当者によって主要な論議対象とされ、それは減少する農業所得を補充するための一つの有効な手段としてとらえられるとともに、非農家を含む農村住民の所得改善のために農村地域での多様就業機会の創出=「農村の多様産業化」を助成振興する政策として位置づけられつつある。そのような欧米の分析を通して家族農業経営における多様就業政策が今後の先進国の重要な農政課題であることを指摘した。
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