研究課題/領域番号 |
11660267
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
畜産学・草地学
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
菅野 茂 東京農工大学, 農学部, 教授 (70111482)
|
研究分担者 |
竹村 勇司 東京農工大学, 農学部, 助手 (80197334)
鎌田 寿彦 東京農工大学, 農学部, 助教授 (70015121)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 乳用牛 / 暑熱条件 / 適応 / 熱生産量 / エネルギー摂取 / 生理指標 / 3メチルヒスチジン / 乳生産 / 暑熱時生理反応 / 直腸温 / 呼吸数 / 心拍数 / 自律神経機能 / 体感温度 / 育成牛 / 暑熱生理反応 / 自立神経機能 / 3-メチルヒスチジン |
研究概要 |
ホルスタイン種(H)と、ホルスタイン種と黒毛和種の一代雑種(F_1)育成種の暑熱に対する生理反応の相違を明らかにするために、本学附属農場に設置された環境制御室にこれらの牛を収容し、適温(20℃)から高温(30℃)に環境温度を上げた時の直腸温、心肺機能、自律神経機能および血液、胃液性状にあらわれる変化を調べた。高温条件において、Hは採食量の減少、呼吸数の増加、心拍数の減少を来たし、直腸温は高値を示した。一方、F_1では採食量の減少、呼吸数の増加がみられたが、心拍数の減少はみられず、直腸温はホルスタイン種に比べて低かった。すなわち、どちらも採食量の減少による熱産生の抑制ならびに呼吸数増加による気道からの熱放散の促進を示していたが、心拍数と直腸温の変化にHとF_1で明らかな相違がみとめられた。代謝量の指標と考えられる心拍数が、Hで明らかに減少したことは代謝が抑制されたことを示している。しかし、Hでは直腸温が明らかに上昇していたが、F_1のでは軽度で、心拍数は減少せず、むしろ増加する傾向にあった。この両者にみられた反応の違いは、30℃への高温負荷条件はHにとっては厳しいもので、心拍数を減らして代謝抑制をはかっても直腸温の上昇を抑えきれない状態にあったが、F_1は採食量の減少と呼吸数増加で対応でき、心拍数を減らさなくても直腸温の上昇を防ぐことができたことによると考えられる。またこのようなH種とF_1にみられた反応の違いは採食後に顕著にみとめられたことから、採食に伴って産生される発酵熱に対する反応の相違も示唆されるところであり、F_1に比べてHは耐暑性に劣る性質を有するものと考えられた。血液のヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度、赤血球数、自血球数、総タンパク質濃度、グルコース濃度および遊離脂肪酸濃度のいずれにも遺伝的差異の影響は明らかでなく、血漿3-メチルヒスチジン濃度のみが高温負荷後に上昇し、しかもその変化はHの方が顕著であった。このことは高温により筋肉タンパク質の分解が促進されるが、その度合いはF_1に比べてHの方が大きく、暑熱の影響を受けやすいものと考えられた。胃液の性状では差が認められなかった。高温負荷条件での生理諸元において、暑熱の影響を評価する指標をスクリーニングできた。
|