研究課題/領域番号 |
11660293
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
谷口 和之 岩手大学, 農学部, 教授 (70148089)
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研究分担者 |
加納 聖 岩手大学, 農学部, 助手 (40312516)
津田 修治 岩手大学, 農学部, 助教授 (60281953)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 嗅上皮 / 鋤鼻器 / マセラ器 / 中憩室上皮 / 糖鎖 / レクチン組織化学 / 免疫組織化学 / バイオイメージング / 嗅覚系 / 主嗅球 / 副嗅球 / レクチン / 嗅糸球 |
研究概要 |
本研究では脊椎動物における嗅覚系情報伝達機構の詳細を解明するために種々の検索を行った。まずアフリカツメガエルでは、主憩室には嗅上皮、下憩室には鋤鼻器が存在し、また一般のカエルでは呼吸上皮に被われる中憩室には、第三のタイプの嗅覚受容器(中憩室上皮)が存在することを明らかにした。これら3種類の嗅覚受容器における糖鎖の発現パターンは全て異なり、また付属腺の有無、微細形態の相異などから、中憩室上皮は水中における匂い物質を知覚するための嗅覚受容器であることが強く示唆された。さらに、主憩室の嗅上皮は主嗅球背側部、中憩室の中憩室上皮は主嗅球腹側部、下憩室の鋤鼻器は副嗅球に投射しており、また主嗅球背側部、主嗅球腹側部、副嗅球ではそれぞれ糖鎖の発現パターンが異なっていた。従って、アフリカツメガエルの嗅覚投射路は嗅上皮-主嗅球背側部、中憩室上皮-主嗅球腹側部、鋤鼻器-副嗅球という3系統の投射路から構成されていることが明らかになった。次に、ハムスターの主嗅球において、嗅糸球における糖鎖の発現パターンを解析すると、主嗅球の嗅糸球に対しては13種類のレクチンがそれぞれの嗅糸球において異なった染色性を示した。このことは、確率的に見て、全ての嗅糸球はその反応するレクチンの種類と染色強度の組み合わせが異なることを意味する。従って、個々の嗅糸球が発現している糖鎖の種類と量は各嗅糸球ごとに異なり、嗅覚情報の受容に糖鎖が重要な役割を演じていることを強く示唆している。最後に、ラットの嗅覚受容器である嗅上皮、鋤鼻器、マセラ器の発生では、これらはそれぞれ原始鼻腔を覆う原始的な嗅上皮から分化するが、マセラ器の場合は、鼻中隔を覆う原始的嗅上皮が残存してマセラ器が成立することが明らかになった。なお、本研究においてバイオイメージングによる成果はいまだ不充分であった。
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