研究課題/領域番号 |
11660294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原澤 亮 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70159101)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 豚コレラ / 回文様塩基置換 / 非コード領域 / ペスティウイルス |
研究概要 |
豚コレラウイルス(CSFV)はプラス鎖の1本鎖RNAをゲノムとしている。そこで、逆転写酵素を用いて我が国で分離されたCSFV株の5'端および3'端の非コード領域の塩基配列を決定し、これを国際的DNAデータバンクに登録されている既知のCSFVのものと比較するとともに、コンピュータを用いて二次構造の自由エネルギー値を計算し、合理的なステム・ループ構造を推定した。これまでの調査研究により、RT-PCRにより増幅された本ウイルスの5'端非コード領域には少なくとも3箇の可変領域が、また、3'非コード領域には少なくとも2箇の可変領域が存在し、それぞれの領域に特徴的な二次構造が想定されることが判明している。CSFVではループ領域の配列と長さはウイルス株により一定していないものの、ステム領域の配列はよく保存されており、固有のステム構造を呈することから、可変領域に想定される二次構造のステム領域に相当する回文様配列における点突然変異を比較検討することにより、CSFVの同定を遺伝子型のレベルで行うことができた。その結果、本ウイルスはCSFV-1,CSFV-2,CSFV-3の3型に分けることが適切であるとの結論に至った。これにより豚コレラの鑑別診断が一層精密に行なえるようになった。また、これはそれぞれのウイルス型が病原性とどのように関係するのかという新たな研究課題を提起するものでもあった。なお、型別の基準とした点突然変異を回文様塩基置換(palindromic nucleotide substitution)と命名し、新しい考え方に基づく分類方法として提案した。以上の研究成果は平成12年8月にイタリアで開催された第5回国際獣医ウイルス学会において発表した。
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