研究課題/領域番号 |
11660306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金井 克晃 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30260326)
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研究分担者 |
林 良博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90092303)
米川 博道 (財)東京都医学研究機構, 実験動物研究部門, 副所長(研究職) (30142110)
矢崎 和盛 (財)東京都医学研究機構, 超微形態研究部門, 研究員 (20124498)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Sox17 / 内胚葉 / ノックアウトマウス / 腸管形成 / 卵黄嚢 / 後腸 |
研究概要 |
精巣決定遺伝子(SRY)のHMG boxと高い相同性を示すSox遺伝子群(Sry様のHMGbox)が、哺乳類から無脊椎動物まで幅広い種において同定され、様々な組織、細胞の分化、発生に重要な役割を担っていることが明かとなっている。我々が、以前単離したSox17の発現様式、個体レベルでの機能解析を行った。Sox17遺伝子の発現は、マウス初期発生過程においては、少なくとも6.5日胚から、既に近位内胚葉に認められ、その後、8.5日胚(体節形成期)では、内胚葉での発現は、胎盤形成領域と接した卵黄嚢、胚性内胚葉、その後、腸上皮細胞に維持されていることが明らかとなった。これらのことから、Sox17は、初期発生過程において内胚葉とその後の腸原基に発現しており、恐らく内胚葉形成に重要な役割を担っていることを示唆する。そこで、マウスSox17遺伝子の機能を明らかにすることを目的として、Sox17遺伝子ノックアウトマウスの作製を試みた。Sox17の翻訳領域(約3kb)をpgk-neoに置き換え、3′末にpgk-tkを挿入したノックアウトベクターを、W9.5ES細胞に導入し、200個のES細胞のスクリーニングを行ったところ、12種類の相同組み換えESクローンを得た。そのうち、3種類のESクローンについて、キメラマウスを作出、得られたキメラ雄マウスとB6雌マウスと交配し、2種類のクローンについてES由来のマウス作出に成功した。このヘテロ個体同士の交配によりSox17欠損個体の解析を行った結果、ホモ個体は、腸原基の胚性内胚葉の分化の異常により腸原基形成が阻害され、その後、下半身にのみ過度の発育障害により胎齢10日までに致死となることが明らかとなった。以上の結果から、Sox17は、胚性内胚葉の分化に必須の遺伝子であり、Sox17の欠損により、その後の腸原基の形成、下半身の発達にも異常をきたすことが明らかとなった。
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