研究課題/領域番号 |
11660316
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
|
研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
石原 智明 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90082172)
|
研究分担者 |
萩原 克郎 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (50295896)
辻 正義 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (10150088)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 動物モデル / scidマウス / NODマウス / 赤血球 / 住血原虫症 / Babesia microti / SCIDマウス / Haemoparasite |
研究概要 |
これまでに我々はウシやヒトの赤血球によってほぼ完全に置き換えたC.B-17scidマウスを開発し、これを用いて、これまで実用的な動物実験モデルがなかったBabesiaやTheileriaなどの住血原虫症の研究を行なってきた。しかし、最近になって、様々な遺伝背景をもつscidマウスの系統が開発され、それらの異種動物細胞の生着性が検討されるようになり、その結果からNOD-scidマウスを使えば、これまでのC.B-17scidマウスをはるかに越える精度の高いモデルができる可能性が出てきた。本研究では、NOD-scidマウスについて赤血球置き換えの基礎的条件の詳細な検討を行なった。蛍光標識したヒト、ウシ、ウマの赤血球のマウス血流中での寿命を測定したところ、NOD-scidマウスはC.B-17scidに比べ異種赤血球排除能力が有意に低いことが判明した。また、C.B-17scidでは、マクロファージ活性化刺激や日和見感染症などの環境要因あるいは加齢によって異種赤血球排除能力が著しく亢進し、その結果、赤血球置き換えが困難となるが、NOD-scidマウスではそれらの影響は軽微であることも判明した。ただ、NODマウスではFcγレセプターの発現の低下などの遺伝的欠損があり、抗マウス赤血球抗体投与による自己赤血球除去能力が低いという欠点があった。NOD-scidマウスを用いることで、C.B-17scidマウスでは非常に困難であったヒト赤血球置き換えが実用化した。ヒト赤血球置き換えNOD-scidマウスに、一昨年で発生した我国初のヒトバベシア症患者から分離された病原体(Babesia microti様原虫)を感染させて増殖させることに初めて成功した。さらに、日本の野鼠からも類似のB.microti様原虫が分離され、これらがヒト赤血球に感染性を有することを本マウスモデルを用いて初めて証明することができた。
|