研究課題/領域番号 |
11670006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
馬場 健 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (90208710)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | PEG-コレステロール / カベオラ / エンドサイトーシス / オカダ酸 / アクチン / 脂質ラフト / CD59 / コレステロール / 細胞膜 / 細胞膜陥凹 / クラスリン被覆ピット / カベオリン |
研究概要 |
本研究の目的は、合成脂質誘導体PEG-コレステロール(PEG-Chol)の細胞形態・機能に対する影響を検討することである。平成11年度にはK562細胞およびA431細胞にPEG-Cholを投与すると、液性取り込みは完全に阻害されたが、クラスリン介在エンドサイトーシスの阻害は軽度であった。電顕的検討により、PEG-Cholはカベオラを完全に平坦化させたが、クラスリン被覆ピットは影響されなかった。これらより、クラスリン被覆ピットはカベオラより遥かに堅いことが示唆された。平成12年度はビオチン化PEG-Chol(bPEG-Chol)とストレプトアビジン(SA)を用いて局所的な膜ストレスを加えたときの細胞応答について検討し、以下の成果を得た。(1)K562細胞をbPEG-Chol・SAと反応させ、経時的に観察した。その結果、加温後、細胞表面から多数の微絨毛様突起が突出した。これらの微絨毛状突起はアクチン細線維を含んでいた。またアクチン阻害剤で前処理した細胞では、微絨毛状突起形成は認められなかった。しかし、bPEG-Cholを架橋能のない抗ビオチンーFab'抗体で可視化した場合は突起形成は起こらなかった。(2)オカダ酸処理K562細胞を用いて同様にbPEG-Chol/SA処理し加温すると、径5-10umの球状突起が形成された。球状突起にはアクチンが凝集し、細胞内のビメンチンやミトコンドリアが集合していた。また、CD59やガングリオシドGM1などの脂質ラフトのマーカーも集合していた。アクチン阻害剤により球状突起形成が阻害された。さらに特異抗体によりCD59やガングリオシドGM1を架橋すると球状突起が誘発されることより、細胞表面分子の凝集が何らかのシグナル伝達経路を介して細胞内に伝えられ、アクチン凝集と球状突起形成を誘発したと考えられた。
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