研究課題/領域番号 |
11670065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
松波 謙一 岐阜大, 医学部, 教授 (90027491)
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研究分担者 |
SALUNGA Thucydides Laureta 岐阜大学, 医学部, 特別研究員
佐竹 裕孝 岐阜大学, 医学部, 講師 (30187158)
川島 卓 岐阜大学, 医学部, 助教授 (90161314)
THUCYDIDES Laureta Salunga 岐阜大学, 医学部, 特別研究員
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | リスザル / 宇宙酔い / 前庭核 / 大脳皮質ユニット / ニューロン活動 / 慢性実験 / 眼電図 / 心電図 |
研究概要 |
実験に用いたリスザルは12匹(体重;510g〜820g)で雄を多用した(理由は後述)。種々なトラブルが起きたが、何とか遠心加速度負荷中に単一神経活動(ユニット)を記録し、解析できる所までは持ち込んだ。定性的な解析では負荷の影響を受けるユニットは大脳皮質ではほとんど見られなかった。 リスザルは熱帯産で華奢で弱い動物であるが、これほど弱いとは予想外であった。術中術后の死(3匹)、事故死(5匹)が多く、ユニットが記録できたのは4匹であった。事故死の原因は首つり(ユニット記録中、出血し、弱っていてケージの枠と枠の間に落ち、自力で這い上がれず朝方に死亡)、仲間に噛まれての死、各一匹、冬期、停電で暖房が切れ凍死(2匹)、術后餌を食べない衰弱死である。手術ミスの死は麻酔深度の調節ミスがほとんどであった。リスザルの頭蓋骨は非常に薄いのでユニットの記録用のシリンダーを取りつけるには、特別の工夫をした。即ち、ネジを切った台座だけを慢性的に取りつけ、実験時にはシリンダーを捩じ込むようにした。雄を多用したのも、骨が雌より厚く丈夫なことによる(その代わり、犬歯が発達していて鋭く、噛まれると(よく噛まれたが)意外と深く、かなり出血した)。ユニットは最初は海馬、前庭核を担ったが、中々当たらなかった。前庭核の場合、(深いので)太目の長い電極を用い3回ほど刺すと、脳幹損傷により、運動障害を起こした(このため、首つりになったり、餌を取らなくなる)ので、ユニットの記録方法の「確立」を実験のメインの目的とした。その後、4匹のリスザルの運動野及びその近傍(2vも狙った)からユニットを記録した。75個のユニットを記録した。多くはmulti-unitの記録になった。これらに1G,2G,3Gうまくいけば5G,7Gの負荷を加えることができた。5Gまではユニットにあまり変化がなかった。5G,7Gではリスザルが暴れる時のほうが多く筋電が混入しデータにならないものが多かった。観察していると、眼の動きに応答するものが若干あった。データは記録紙(20cm/秒)、またPower Labで記録した。後者のデータテキスト・ファイル→Excelに変換、Excelのデータを解析するプログラムを作製してもらった。このプログラムを使った解析もするつもりであるが、記録紙から判断する限り、ほとんどのユニットはあまり加速度負荷に応じなかった。記録電極も色々、条件を変えてみたが、中々良いsingle unitを記録するのが難しかった。以上の結果からリスザルは宇宙ステーションでユニットの慢性実験をしようとするとかなり困難であることが結論として出さざるを得なかった。
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