研究課題/領域番号 |
11670078
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 視床下部 / 室傍核 / 視索上核 / nitric oxide / パッチクランプ法 / NO合成酵素 / レプチン / 高血圧 / 神経内分泌系 / 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / グルタミン酸受容体 / 浸透圧 / ホルマリンテスト |
研究概要 |
血管内皮由来拡張因子としてNOが同定されて以来、末梢のみならず中枢神経系においてもNOが細胞間情報伝達物質として重要な役割を果たしていることが明らかとなってきた。本研究では、自律神経系と内分泌系の統合中枢である視床下部室傍核および視索上核におけるNOの生理的役割を解明することを目的とした。ラット視床下部視索上核の神経分泌ニューロンからパッチクランプ法により神経活動を記録したところ、シナプス入力はNOドナーで抑制性入力が増加した。神経内分泌系の賦活刺激(ホルマリン疼痛テスト)または抑制刺激(絶食)による神経型NO合成酵素(nNOS)遺伝子発現の変化について検討した。また、病態モデルとしてリチウム誘発尿崩症ラットおよびDahl食塩感受性高血圧ラットについてnNOS遺伝子発現の変化について検討した。ラット両足底部皮下にホルマリン0.1mLを注射し、経時的に室傍核および視索上核におけるnNOSmRNAの発現を調べたところ、室傍核においてのみ有意に増加した。ラットを2日間絶食すると室傍核および視索上核におけるnNOSmRNAは有意に減少するが、レプチンを脳室内投与するとこのnNOSmRNAの減少は起こらなくなった。リチウム誘発尿崩症ラットでは、室傍核および視索上核におけるNADPHジアホラーゼ活性の増加とnNOSmRNAの有意な増加が見られた。Dahl食塩感受性高血圧ラットでも、室傍核および視索上核におけるNADPHジアホラーゼ活性の増加とnNOSmRNAの有意な増加が見られた。Dahl食塩感受性高血圧ラットにカルシウム拮抗剤を投与すると室傍核および視索上核におけるnNOSmRNAの増加が抑制されたが、アンギオテンシン変換酵素阻害剤を投与するとnNOSmRNAの増加が増強された。視床下部室傍核および視索上核におけるNOの産生はダイナミックに調節されており、多彩なNOの役割が明らかとなった。
|