研究課題/領域番号 |
11670081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中谷 晴昭 千葉大学, 医学部, 教授 (60113594)
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研究分担者 |
三木 隆司 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50302568)
清野 進 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80236067)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ATP感受性K^+チャネル / Kir6.2 / K_<ATP>チャネル欠損マウス / K^+チャネル開口薬 / 代謝阻害 / 虚血再灌流 / ischemic preconditioning / ischemic preconditioning(8) |
研究概要 |
心筋細胞膜に存在するATP感受性K^+チャネルは、Kir6.2という膜二回貫通型のポア成分とABC蛋白の一種であるsulfonylurea受容体(SUR2A)が合わさり機能することが明らかとなっている。ジーンターゲティング法によって作成したKir6.2ノックアウトマウス(Kir6.2^<-/->)を用いその病態生理学的役割を検討した。野生型マウス(Kir6.2^<+/+>)の心室筋細胞インサイドアウトパッチではATP感受性K^+チャネルの単一チャネル電流が記録されたが、Kir6.2^<-/->心室筋細胞では認められなかった。また、Kir6.2^<+/+>の心室筋細胞ではK^+チャネル開口薬、および代謝阻害で外向き電流の活性化と活動電位幅の短縮が認められたが、Kir6.2^<-/->の心室筋細胞では認められなかった。Kir6.2^<+/+>マウスで長時間(45分)の冠動脈閉塞に先立ち短時間の虚血負荷を与えると心筋梗塞巣が減少するというischemic preconditioningという現象が観察されたが、Kir6.2^<-/->マウスでは認められなかった。Kir6.2^<+/+>およびKir6.2^<-/->マウスの摘出灌流心において左室内圧を持続的に測定しながら灌流の短時間停止後再灌流を行い、心収縮能の回復度を検討した。Kir6.2^<-/->心ではKir6.2^<+/+>心に比べて虚血時の拡張期圧の上昇がより早期にまた高度に認められ、再灌流後の収縮機能の回復も悪かった。Kir6.2^<+/+>心ではdiazoxideで収縮機能の回復が促進したが、その作用は細胞膜ATP感受性K^+チャネルの特異的遮断薬であるHMR1098で消失し、ミトコンドリアATP感受性K^+チャネルの特異的遮断薬とされる5-hydroxydecanoateでは拮抗されなかった。これらの実験結果より心筋細胞膜ATP感受性K^+チャネルのポア成分としてKir6.2は必須であり、細胞膜ATP感受性K^+チャネルはischemic preconditioningの成立および虚血・再灌流の収縮機能の回復に重要な働きを果たすことが明らかとなった。
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