研究課題/領域番号 |
11670095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
頼仲 方一 (頼中 方一) 熊本大学, 医学部, 助手 (90244110)
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研究分担者 |
西 勝英 熊本大学, 医学部, 教授 (00040220)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 細胞内Cl^-濃度 / Cl^-オシレーション / Cl^-チャネル / Cl^--HCO_3^-交換系 / 心筋虚血再灌流 / ミトコンドリアの代謝抑制 / 細胞外ATP / MQAE / マウス心筋虚血再灌流 / Cl^-トランスポート阻害薬 / サザンカサポニン / bFGF / 局所心筋層血流量 / 不整脈 / 細胞内Cl^-ホメオスタシス / ラット心筋梗塞モデル / 細胞内クロライド濃度 / 心筋細胞 / ジャーカットT細胞 / 心筋虚血再灌流損傷 / クロライドオシレション / クロライドチャネル遮断薬 / クロライドフリー / アミロライド / T細胞 / 電圧依存性なNa^+チャンネル / クロライド感受性蛍光染料 / ミトコンドリアアンカップラ / CCP / DNP / DIDS / ブメタニド |
研究概要 |
心筋細胞内のCl^-は、細胞膜に存在しているイオンチャネル、アンニオン交換系及び共輸送機構と共に調節され、興奮収縮連関や細胞膜の興奮性に深く関与し、実際にその動態を探ることは心不全や不整脈のメカニズムの解明に大きく寄与すると考えられる。本研究では、細胞内Cl^-の動態変化の調節機構について焦点を絞り、その活性化と不活性化について検討し、細胞内Cl^-ストア、Cl^-交換系あるいはCl^-チャネルの役割を究明したい。1)急性単離したモルモット心室筋細胞を用い、ミトコンドリアの代謝抑制剤であるカルボニルシアニドm-クロロフェニルヒドラゾン(CCP)と2,4-ジニトロフェノール(DNP)の投与により誘導される[Cl^-]_i変化を観察した。[Cl^-]_iの測定はCl^-感受性の蛍光染料(MQAE)を利用し、ARGUS-50イメージシステムを用いて行った。CCPあるいはDNPを投与すると、低濃度の場合は一過性、高濃度の場合では持続的な[Cl^-]_iの増加が見られた。結果より、心筋細胞虚血期間に細胞の代謝抑制は[Cl^-]_iの変化に対して重要な役割を演じる可能性があると示唆された。2)モルモット心室乳頭筋における、Cl^-イオン電極を利用して、細胞外Cl^-の除去とCl^--HCO_3^-交換系阻害薬の存在下に、Cl^-ホメオスタシスの変化に対する細胞外ATPの効果を検討した。結果より、細胞外ATPの細胞内Cl^-濃度を増加する効果は細胞膜に存在しているCl^--HCO_3^-交換系の活性化と関連していると示唆した(Jpn J Pharmacol,2000)。3)我々はパッチクランプ及び細胞内Ca^<2+>、Cl^-イオン動態測定装置など設備を利用して、初めて電位依存性Na^+チャネルの活性化がT細胞の活性化及び増殖に関与することを示唆した。細胞外Na^+の除去とアミロライドの投与は、このNa^+チャネルの活性化への抑制作用とその後のT細胞活性化期間に細胞内Ca^<2+>濃度の上昇への軽減作用を介して、T細胞の活性化と増殖を抑制すると考えられた(J Immunol,2000)。4)ヒトジャーカットT細胞を用い、MQAE方法で、T細胞活性化で誘導された[Cl^-]_iの変化を観察した。レクチンであるPHAあるいはCon Aの投与はジャーカットT細胞内Cl^-のオシレーションを誘発し、[Cl^-]_iの増加が生じた。このレクチンで誘導される[Cl^-]_iの上昇及びT細胞の増殖は細胞外Cl^-の除去とCl^-チャネル阻害薬の投与で有意的に抑制された。結果より、ヒトジャーカットT細胞の活性化期間に、細胞内Cl^-濃度の変化は、T細胞活性化に対して重要な役割を果たす可能性が示唆された(Eur J Pharm, In Press)。
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