研究課題/領域番号 |
11670124
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小山 眞也 広島大学, 医学部, 助教授 (00186834)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Ral / エンドサイトーシス / Epsin / RalBP1 / POB1 |
研究概要 |
Ralとその下流に存在する蛋白質RalBP1、POB1、Eps15、Epsinの、受容体エンドサイトーシスに対する作用を解析し以下の結果を得た。 (1)リガンド依存性受容体エンドサイトーシス 活性型のRalG23Vと不活性型のRalS28NはEGFとインスリンの取り込みを抑制し、野生型のRalと膜に結合できないRalG23V/C203Sは抑制しなかった。Ralの、GDP型/GTP型の変換と膜への結合がエンドサイトーシスの制御に重要であることが明らかになった。RalBP1とPOB1のそれぞれのN末端側とC末端側の欠失変異体も、EGFとインスリンの取り込みを抑制した。(2)恒常的受容体エンドサイトーシス これらの蛋白質は、Eps15やEpsinにより制御される恒常的なプロセスであるトランスフェリン受容体のエンドサイトーシスには影響しなかった。Ral/RalBP1/POB1は受容体からのシグナルをEps15とEpsinに伝達することにより、リガンド依存性の受容体エンドサイトーシスを制御すると考えられる。(3)細胞分裂期におけるRalBP1、POB1、Eps15、Epsinのリン酸化とエンドサイトーシス 細胞分裂期において、Ralはリン酸化されず、RalBP1、POB1とEpsinがリン酸化された。cdc2キナーゼがEpsinとPOB1をリン酸化することを明らかにし、リン酸化部位を特定した(POB1のSer^<411>とEpsinのSer^<357)>。RalBP1、POB1、Epsin、Eps15がクラスリンアダプター蛋白質複合体AP-2を作るαアダプチンと複合体を形成し、細胞分裂期にその複合体が減少することを明らかにした。RalBP1とPOB1のリン酸化は相互の結合に影響せず、POB1のリン酸化はPOB1とEpsin、Eps15との結合に影響しないが、Epsinのリン酸化によってPOB1との結合が減弱した。細胞分裂期にエンドサイトーシスが停止する機序のひとつとして、Epsinのリン酸化による蛋白質間相互作用の抑制が考えられる。(4)新たなPOB1結合蛋白質の検索 POB1のEHドメイン以外の部位に結合する蛋白質の候補を酵母two-hybrid法によりスクリーニングし、エンドサイトーシスに関連するエンドフィリン、アンフィファイジン、Ese2/インターセクチンのほか、小胞輸送に関与するスナッピン、Hrs、TOM1L1、ならびに細胞接着と運動に関与するPAG/ASAP、ポンシンを見出した。POB1はエンドサイトーシス以外に小胞輸送や細胞接着、運動に関与する可能性がある。
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