研究概要 |
1、in vivoにおける時計分子の機能を明らかにするために、ショウジョウバエnull変異体を用いたin vivo rescueの実験を行った。ショウジョウバエnull変異体に哺乳類時計遺伝子(Per2,Per3)を導入することにより、行動リズムが回復することを確認し、生体におけるPERの核移行を検討した。 2、ヒトhPer3遺伝子を単離し、その中にVNTR(variable number of tendem repeat),SVs(splicing variants),SNPs(single nucleotide polymorphisms)を明らかにした。 3、Differential display法を用いて、視交叉上核(SCN)由来のzinc-finger型転写因子(Lot1)を単離した。Lot1はP1からP10にかけてSCNにおいて強い発現が見られた。これはSCNニューロン間のシナプス形成の時期に一致しており、Lot1のシナプス形成における関与が示唆された。 4、培養細胞の血清刺激により、時計蛋白(mPER2,mPER3)の発現に概日リズムがみられることを、特異抗体を用いたWesternブロット法により明らかにした。しかし、TIM蛋白の挙動には、概日リズムがみられなかった。また、NIH3T3細胞を50%血清処理した後、蛋白分解酵素阻害剤を処理することにより、蛋白量(mPER2,mPER3)変移の変化を検討した。さらに、血清処理細胞を10-40%グリセロールで分画した後、SDS-PAGE上で、時計蛋白(mPER2,mPER3)とプロテアソームとの会合を検討した。
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