研究課題/領域番号 |
11670147
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
中村 充 自治医科大学, 医学部, 講師 (20198237)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | Sialyl-Le^X / E-Selectin / Counter Ligand / Cell Adhesion / Sialomucin family / O-linked Glycoprotein / Sialyl-LeX / Sialomucin Family / O-linked glycoprotein |
研究概要 |
ヒトプレB細胞表面にはシアリルルイス-X(sLe^X)糖鎖抗原が強発現し、細胞接着などに関与しているものと考えられている。プレB細胞表面sLe^X抗原構造は、糖脂質にもN-グリコシド型糖鎖にも載っておらず、O-グリコシド型糖鎖だけに発現する。しかも、同じO-型糖鎖でも、分子量150kDaのほとんど唯一の特定糖蛋白質(gp150)上のO-型糖鎖末端に好んで発現する。またプレB細胞の場合、表面sLe^X発現レベルは、コア2GlcNAc転移酵素(C2GnT)の律速調節を受けている。我々は、律速酵素C2GnTが好んで作用するこのgp150を、B細胞におけるE-セレクチン糖蛋白リガンドのキャンディデイトと考えて本研究を進め、次のことを明らかにした。 1.C2GnTによる細胞表面sLe^X発現レベル調節は、プレB細胞のみならず、扁桃由来のB細胞活性化においても示された。 2.このgp150は、Pasteurellahaemolytica由来のO-sialoglycoproteinendopeptidase処理によって、抗sLe^Xモノクローナル抗体反応性が消失したことから、シアル酸を末端に持つO-型糖鎖に富んだシアロムチンタイプの糖蛋白質分子であることが示唆された。 3.抗sLe^Xモノクローナル抗体を結合させたプロテイン-Gを用いてプレB細胞株NALL-1膜画分からgp150を調製し、ペプチドフラグメントを精製してアミノ酸一次構造を解析したところ、あるシアロムチンタイプの糖蛋白質分子であることが判明した。それはその蛋白質部分に対する抗体を用いた免疫染色によっても確認できた。また逆に、蛋白部分を認識する抗体を結合させたプロテイン-Gを用いて免疫沈降をして精製した蛋白を、抗sLe^X抗体で染色することによっても確認できた。 4.さらにそのシアロムチンタイプの糖蛋白質をコードする遺伝子をアンチセンス方向にドライブして、プレB細胞sLe^X同発現株に発現させたところ、sLe^X抗原発現が有意にダウンレギュレーションし、E-セレクチンを介する細胞接着性が著しく低下した。
|