研究課題/領域番号 |
11670153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
菅野 仁 日本大学, 医学部, 講師 (70221207)
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研究分担者 |
三輪 史朗 (財)冲中記念成人病研究所, 顧問研究員 (40034954)
相沢 信 日本大学, 医学部, 助教授 (30202443)
中川 滋木 日本大学, 医学部, 教授 (40059465)
小柳津 直樹 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (00282773)
小泉 勤 福井医科大学, 動物実験施設, 助教授 (40126579)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 溶血性貧血 / アポトーシス / 解糖系 / 活性酸素種 / モデルマウス / フレンド細胞 / 遺伝子治療 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
赤血球(R)型ピルビン酸キナーゼ(PK)遺伝子に変異を持つフレンド細胞株、SLC3が継代過程でアポトーシスを起こし、赤血球分化誘導により増強することを昨年度までに明らかにした。今年度は、PK遺伝子異常による赤血球系前駆細胞のアポトーシスをin vivoで解析し、さらに解糖系阻害によるアポトーシスの誘導を試みた。 PK異常症モデルマウス(Pk-l^<slc>)ではR型PK活性低下により赤血球寿命が短縮するが、腫大した脾臓中には赤芽球過形成が観察される。脾臓切片のTUNEL染色により、著しいアポトーシス細胞の増加が観察された。フローサイトメトリー解析では赤血球マーカーであるTer119およびAnnexin Vの二重陽性細胞が著明に増加しており、アポトーシスが赤血球系前駆細胞に生じていることが明らかになった。 解糖系阻害によるアポトーシスのメカニズムを調べるため、グルコース枯渇あるいは2-デオキシグルコース(2DG)を0.1-20mMの濃度で培地に添加して検討を加えた。PK遺伝子変異の無いCBA2細胞を対照として比較すると、SLC3細胞は短時間のグルコース枯渇あるいは低濃度の2DGによりアポトーシスが誘発された。SLC3細胞ではカスパーゼ-3,8,9の活性化が解糖系抑制無しでも認められ、その傾向は2DG 1mM添加により著明に増加したのに対し、CBA2細胞では2DG10mM添加によって有意なカスパーゼ-3,8,9の活性化が認められた。2DGによるアポトーシス誘発効果は、グルタチオン前駆体であるN-アセチルシステインによる前処置(10mM、12時間)によって抑制されたことから、解糖系抑制による赤血球系前駆細胞のアポトーシスには活性酸素種の関与が示唆された。SLC3細胞では、2DG処理により細胞内ピルビン酸含量が無処置の40%以下に低下するがATPは有意な低下を見ないことから、解糖系抑制による酸化的リン酸化の代償性亢進がATPレベルを保つが、過剰な活性酸素種によりアポトーシスが誘導されることが考えられた。
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