研究課題/領域番号 |
11670157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
白澤 卓二 財団法人 東京都老人総合研究所, 分子遺伝学部門, 室長 (80226323)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 老化 / 翻訳後修飾 / イソアスパラギン酸 / イソアスパラギン酸メチル転移酵素 / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / 神経変性 / 遺伝子治療 / メチル転移酵素 / 電顕 / シナプス / 空砲変性 / 苔状線維 |
研究概要 |
我々はアルツハイマー病(AD)の神経細胞変性及び神経細胞死に焦点をあて、神経細胞変性に伴う分子異常を検索している。その過程で、ADの変性神経細胞で、イソアスパラギン酸メチル転移酵素(PIMT)の発現が亢進していることを見い出した。そこで、PIMTを標的遺伝子破壊法により欠損させ、イソアスパラギン酸残基(isoAsp)を含む蛋白質の蓄積が人為的に亢進するような動物モデル(PIMT欠損マウス)を作製した。これまでの解析で、PIMT欠損マウスの個体発生は正常に起こるが、生後5週以降、神経細胞変性が出現し、マウスは正常の神経機能を維持できずに痙攣発作を呈し、12週までに100%死亡することを明らかとした。また、ホモ接合体マウス脳では、野性型マウス脳に比べisoAspが7〜10倍に増加していることが判明している。神経変性モデルマウス(PIMT欠損マウス)に蓄積したisoAsp含有タンパク質の検索を試みた。 イソアスパラギン酸を含むトリペプチドを抗原にして、isoAsp残基を特異的に認識する抗体の作製を試みた。得られた抗イソアスパラギン酸残基抗体を用いた解析から、正常マウス脳には認められず、PIMT欠損マウス脳に認められる見かけの分子量43kDa(p43)のタンパク質を発見した。この分子は欠損マウス脳にisoAsp残基が蓄積しはじめる4週齢以降に認められた。また、p43は欠損マウス脳のシナプトソーム画分に特徴的に分布していることが判明した。また、アミノ末端領域を認識する抗シナプシン1モノクローナル抗体を用いた解析から、モノクローナル抗体の反応性がPIMT欠損マウス脳において量的低下を伴わず、著しく低下することを発見した。シナプスタンパク質であるp43とシナプシン1のisoAspの蓄積がこれらのタンパク質の構造変化を生じ、シナプス機能に重大な影響を与えたと考えられた。
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