研究課題/領域番号 |
11670158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
長田 啓隆 愛知県がんセンター, 分子腫瘍学部, 室長 (30204176)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 肺がん / 癌遺伝子 / 肺癌 / LIMドメイン |
研究概要 |
本研究において、我々はLIMK2遺伝子及びLIMK2に結合するLdb2を単離し解析を進めた。(1)N末側の異なる2種のisoform LIMK2a・2bの組織特異的発現制御機構の解明を目指して各プロモーターを解析し、核内レセプターRORαと転写因子MZF1との関与が示唆された。LIMK2bとRORαで発現の相関が見られ、RORα遺伝子導入により、レチノイン酸存在下でLIMK2bレポーターの転写促進が認められた。一方、MZF1もLIMK2aレポーターに対し転写活性化を示し、RORα・MZF1が実際にLIMK2 isoformの発現制御に関与することが示唆された。(2)LIMK2a・2b isoformの機能的差異を正常肺上皮細胞株を用いて検討した。LIMK2発現誘導により、細胞質拡大・被膜突起形成と共に強い増殖抑制が見られ、LIMK2発現制御異常が癌発症に関与する可能性が示唆された。しかし、この作用に於いてisoform間の差異は見られなかった。(3)Ldb2の結合特異性を検討したところ、細胞質LIMドメイン蛋白に比して、核内LIMドメイン蛋白に強い特異性を示し、核内LIMドメイン蛋白の転写制御機能への関与が示唆された。又、Ldb2及び相同遺伝子Ldb1の発現を検討したところ、Ldb2の発現は正常肺組織に比して肺癌組織で低下していた。逆に、Ldb1は、正常肺組織に比して肺癌組織で強い発現が見られ、肺癌発症におけるLdb1とLdb2の機能的差異が示唆された。(4)Ldb2の肺癌発症への関与を検討するため遺伝子変異を検索したが、肺癌細胞株には遺伝子異常は検出されなかった。更に肺癌組織で検出されるLdb2 isoformを検討すべく、肺癌細胞株からcDNAライブラリーを作成して解析を進めている。
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