研究課題/領域番号 |
11670189
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
岡安 勲 北里大学, 医学部, 教授 (20014342)
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研究分担者 |
三上 哲夫 北里大学, 医学部, 講師 (90286352)
三枝 信 北里大学, 医学部, 講師 (00265711)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 甲状腺癌 / RETがん遺伝子 / 甲状腺炎 / Ras遺伝子 / 発がん |
研究概要 |
1、免疫組織学的検索により、RET蛋白発現の有無及びその強さをスコア化して比較した結果、RET蛋白発現は、正常、濾胞癌、濾胞腺腫、低分化乳頭癌、リンパ球性甲状腺炎、高分化乳頭癌の順に増強していることが、判明した。 背景にリンパ球性甲状腺炎を共存している乳頭癌が共存していない乳頭癌よりも発現が高い傾向が認められたが、統計学的に有意な差ではなかった。 2、RT-PCR-Southern blot hybridzation法によるRET癌遺伝子活性化を検索したが、いずれの症例にもその活性化が認められた。 3、ras遺伝子変異をmicrodissection法、PCR-SSCP法の組み合わせによる検索結果では、濾胞癌は46.2%であったが乳頭癌、濾胞腺腫は極めて低率であった。 まとめ:RET蛋白発現は甲状腺濾胞腺腫や濾胞癌と比較してリンパ球性甲状腺炎や乳頭癌に高発現していることから、甲状腺炎および乳頭癌の発生に関連していることが示された。RET蛋白の機能から考えて、特に細胞増殖能と細胞分化との関連性が指摘される。また、血管内皮細胞も発現しているため、RT-PCR法によるRET癌遺伝子活性化の検索からはこの甲状腺炎-乳頭癌連関の証明はできなかった。 濾胞癌ではras遺伝子変異が高率にみられたが、乳頭癌ではこの変異は低率であり、ras遺伝子変異の結果からはリンパ球性甲状腺炎-乳頭癌連関の証明が困難であった。 以上より、リンパ球性甲状腺炎、乳頭癌の発生にRET蛋白発現がつよく関与していることが示された。リンパ球性甲状腺炎-乳頭癌連関の直接的証明についてはさらに他のマーカーを使った検索が必要である。
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