研究課題/領域番号 |
11670223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
白井 智之 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60080066)
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研究分担者 |
朝元 誠人 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (50212494)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 内分泌かく乱物質 / 4-ノニルフェノール / 発癌修飾作用 / DMAB発癌モデル / F344ラット / 前立腺 / PIN / 前立腺癌細胞株 / 前立線癌細胞株 / ノニフェノール / ラット / 前立腺癌 / 3,2'-dimethyl-4-aminobiphenyl / テストステロン / 幼若令 / ノニルフェノール / 3,2'-dimethy1-4-aminobiphenyl |
研究概要 |
エストロゲン作用を持つと考えられている内分泌かく乱物質4-ノニルフェノール(4-NP)の影響を検索するため、in vitro、in vivoから、2つの実験を行った。<実験1>ヒト前立腺細胞株(PC3、LNCaP、DU145)と、当教室で確立したラット前立腺細胞株(PLS10)を用いて、4-NPのin vitroで細胞増殖に及ぼす影響を検討した。文献で報告されているとおり、陽性対照として用いられた17β-estradiolはPC3の増殖活性を有意に抑制し、LNCaPでは増殖活性を増加させる傾向を示したが、4-NPは今回用いられたどの細胞株に対してもその増殖活性に対しては影響を与えなかった。<実験2>当教室において開発された3,2'-Dimethyl-4-aminobiphenyl(DMAB)誘発ラット前立腺癌モデルを用いて幼若期曝露によるin vivo発癌修飾作用と雄性生殖器発達に及ぼす影響を検討した。4-NPを25、250,2,000PPmの濃度で3週令のF344ラットに3週間混餌投与を行い、その後DMABを50mg/kgで隔週(2週間に1度)計10回、皮下投与を行った。DMAB投与後は40週間の観察期間をもうけ、67週令にて屠殺解剖を行った。4-NP2,000PPm投与群において毒性と考えられる体重増加抑制を観察したが、解剖時の体重では群間にて有意差はなく、また、ホルモン動態を比較的鋭敏に反映すると考えられている肛門挙筋・雄性生殖器を含む、いずれの臓器相対重量にも有意差は認められなかった。組織学的にも、前立腺腹葉におけるProstatic Intraepitherial Neoplasia(PIN)、Adenocarcinoma(AdC)、精嚢腺におけるDysplasiaの発生頻度・数とも有意な差は認めなかった。以上、今回行った実験から4-NPはエストロゲン様活性を示さず、幼若期投与における雄性生殖器の発達には影響を及ぼさなかった。また、その後の前立腺発がん修飾作用もないことが明らかとなった。
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