研究課題/領域番号 |
11670228
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
佐賀 信介 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40144141)
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研究分担者 |
石黒 直樹 名古屋大学, 大学院・医学部, 講師 (20212871)
小崎 健一 愛知医科大学, 医学部, 助手 (50270715)
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60109759)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | caspin / PEDF / EPC-1 / 血管内皮細胞 / 血管新生抑制 / アポトーシス / 癌転移 / 軟骨分化 / コラーゲン / 血管新生 / deletion mutants / 抗ヒトcaspin抗体 |
研究概要 |
本研究ではcaspinの生理的機能解析を進めるべく、ヒトおよびマウスrecombinant caspin(rhCaspin)の作成を試み、収率は極めて低いものの、未変性下で活性を保持した蛋白質としての精製方法を確立し、rhCaspinと特異的配列のペプチドを抗原とした抗ヒトcaspinポリクローン抗体の作製に成功した。さらに、マウス結腸癌細胞株colon26とヒト非小細胞性肺癌細胞株Na-H460の高転移性亜株を用いたcaspin遺伝子導入細胞株を作成して、caspinのin vivoにおける腫瘍増殖抑制効果と血行性肺転移抑制効果を明らかにし、免疫組織学的検索によってcaspin遺伝子導入細胞株における腫瘍血管の著明な減少を見出した。我々はcaspinの血管新生に対する抑制作用の分子機序を明らかにすべく、ラット大動脈を用いたex vivo血管新生モデルと培養血管内皮細胞HMEC-1(SV-40 transfected Human Microvascular Endothelial Cell)を用いたin vitro管腔形成アッセイ法による検討を行い、caspinが濃度依存性に血管新生を抑制することを確認にした。また、各種培養細胞株を用いた詳細な解析によって、caspinが血管内皮細胞に特異的な細胞死を引き起こすことを見出し、DNA断片化、GFP標識annexin V染色によるapoptosis初期の細胞膜飜転とcaspase3酵素活性の上昇の確認によって、血管内皮細胞に特異的なapoptosisであることを明らかにした。以上の結果からcaspin/PEDF/EPC-1によるin vivo抗腫瘍効果と血管新生抑制効果の分子機序は血管内皮細胞特異的なapoptosis誘導に起因していることが明らかとなった。また、マウス未分化培養細胞株ATDC5細胞株を用いて、caspinの骨軟骨組織形成機序における生理的意義や骨軟骨関節疾患における動態の詳細な解析を進めつつあるが、今後はcaspinの血管内皮細胞特異的なapoptosis誘導の分子機序の検討、さらに血管新生抑制による治療への臨床応用を目指した研究も試みる予定である。
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