研究概要 |
今までの一連の研究により、プロフィリンが線維化のトリガーとなっている事と、組織構築の制御を行っている事を証明出来た。即ち、外傷・化学物質・微生物による炎症等々で実質細胞の破壊が起こると、細胞よりプロフィリンが流出し、線維芽細胞系を刺激することが考えられた。そこで、組織培養細胞の培養液にプロフィリンを加えると、特異的な細胞表面のリセプターに結合し、Protein Kinase CをTPA刺激と同じレベルまで上昇させた。リセプターを介してのシグナルは、C-JUNをもつAP-1のTRE結合活性をあげる事が分かった。J Am Soc Nephrol 11:423-433,2000の論文で、プロフィリンはプロモーターにTREを持つbFGFを上昇させる事より、細胞破壊により細胞外に出たプロフィリンはリセプターを介するシグナルトランスダクションの結果としてメサンギウム細胞の増殖を誘導する事が分かった[J Am Soc Nephrol 11:1620-1630,2000]。 二次元電気泳動法でNADP+-dependent isocitrate dehydrogenaseの変移を見いだし[Neurochem Res Mar 24(3):365-369,1999]、また、ファジィ推論法によるアンチセンスで抑制できた[NeuroReport 10:1957-1960,1999]り、PFLI(PCR fragment length identification)の開発[Thrombosis Res 97:153-162 2000]や、inside primerが要らないPCR技術の開発も行った[Biochem Pharmacol.59(9):1141-1145,2000;Anesthesiology 93:1329-1335,2000]。 ファジィカオスのアルゴリズム)に従い遺伝子発現のプログラムを作成した。ファイブロネクチンの遺伝子を抑えぎみにし、コラーゲン遺伝子発現を促進し、Ca^<2+>イオンでエラスチンを活性化し、コラーゲン線維束を束ねる事を促進し、vitamin B1で、TCA cycleと5単糖燐酸経路を促進し、細胞を活性化することを一週おきに繰り返したところ、アルコール性の肝臓の線維化をラットに作成出来た。この方法を人の転移癌細胞の線維芽細胞による囲い込みに応用すると、スキルス胃癌を含む11名中10名の悪性腫瘍の転移を抑制出来つつあり、うちスキルス胃癌の1名は7年を経過した。(現在では、3名が5年を経過している)[Int J Chaos Theory Appli. 5(3):61-66,2000]
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