研究課題/領域番号 |
11670234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
井上 達 国立医薬品食品衛生研究所, 安全性生物試験研究センター, センター長 (50100110)
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研究分担者 |
児玉 幸夫 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 室長 (90170274)
平林 容子 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 室長 (30291115)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アリールハイドロカーボン受容体 / 造血幹細胞 / ダイオキシン |
研究概要 |
アリールハイドロカーボン受容体(AhR)は、1991〜2年に、Burbachら、Hoffmanら、そしてEmaらによって、相次いでクローニングされた分子量約9万の生理的リガンドの不明な異物認識受容体タンパク質であり、basic helix-loop-helix(bHLH)構造を含む転写活性化機能をもっている。このものの認識配列Xenobiotic responsive element(XRE)はチオレドキシン(Trx)遺伝子の発現調節領域にみいだされるなど、生体内酸化とも関連することが、京大ウイルス研の増谷らによって示されている。当研究者らによって明らかになった点は、このAhR欠失(KO)マウスが、(1)AhRの欠失状態、即ち、細胞周期を抑制する何らかの生理的リガンドからのシグナルが欠失状態の時、幹細胞の内未熟な分画では、細胞周期亢進性に、より分化した前駆細胞系ではそのNegative feedbackの結果としての抑制性変化としてとらえられることを見いだした点、(2)酸化的ストレス機構をみるベンゼンを投与したAhR-KOマウスでは造血毒性が消去されることを見いだした点、(3)実際にベンゼン曝露したとき、p21の発現がwild typeマウスでは上がるのに対して、AhR-KOではこの発現上昇が観察されないことを見いだした点、(4)さらにこのようなAhRシグナルの関与下でのベンゼンの酸化的ストレスが、Trxの過剰発現系で、同じく、しかし別の機構をもって緩和されることを見いだした点などの諸点にわたっている。 以上の要点は既に発表済みであり、それらの別刷りは冊子体に添付した。残された課題としては、このAhRシグナルを介したベンゼンに代表される造血抑制機構に関与する正確な責任代謝酵素系を明らかにし、同シグナルのネットワークに介在する分子種の物質的動態を裏付ける研究であるが、これについては、継続性して研究を進める中で、改めて研究費の申請なども進めてゆきたい。
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