研究課題/領域番号 |
11670237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
島田 博子 (菅谷 博子) 秋田大学, 医学部, 助手 (30235626)
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研究分担者 |
吉村 堅太郎 秋田大学, 医学部, 教授 (90053058)
石田 和人 秋田大学, 医学部, 助手 (60006731)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 広東住血線虫 / CD4^+T細胞 / 病態 / interferon-γ / IL-4 / BALB / c / T cell blot / 一酸化窒素 / T blot / SAS-PAGE / X線 / magnetic microbeads / 抗IL-4モノクローナル抗体 / 好酸球増多 |
研究概要 |
広東住血線虫(Angiostrongylus cantonensis:Ac)感染に対する感受性や宿主の病態発現はマウスの系統により著しい差異がある。感受性系統で病態の悪化がみられるBALB/cマウスにおいて、Ac感染後15日頃より惹起される体重減少はCD4^+T細胞依存性である。そこで、CD4^+T細胞が、Ac感染によって惹起されるBALB/cマウスの体重減少や神経障害にどのように関与するのかを明らかにするため、(1)Ac感染後病態発現が誘導される時期のBALB/cマウス脾細胞からAc幼若成虫抗原特異的T細胞クローンを誘導できるか否か、(2)Th1/Th2サイトカインであるinterferon-γとIL-4がAc感染BALB/cマウスの病態発現に関与するか否か、(3)一酸化窒素(NO)はBALB/cマウスの病態発現に関与するか、(4)Ac幼若成虫抗原の如何なる分子に病態発現時期のBALB/cマウスCD4^+T細胞が増殖活性を示すか、(5)放射線照射した第3期幼虫をBALB/cマウスへ感染し、病態発現と脳内虫体数や髄液細胞浸潤に関連性があるか否か、の検討を行った。その結果、以下のような結論を得た。(1)抗原特異的T細胞クローン誘導のための標準的な手法を用いて感染後15-16日の脾臓CD4^+T細胞からTh1およびTh2クローンを樹立することを試みたが、その誘導分離は極めて困難であった。技術面に対する改善が今後の課題である。(2)Interferon-γとIL-4は本虫感染BALB/cマウスの病態発現に関与しない。(3)一酸化窒素(NO)も病態発現に直接的に関与する因子とは言えない。(4)Ac幼若成虫抗原の分子量約56、48、40、31-22kDaの蛋白抗原に対して、病態発現が惹起される時期のBALB/cマウスCD4^+T細胞は高い増殖活性を示す。(5)BALB/cマウスでは、脳内虫体殺滅を促す処置(放射線照射した第3期幼虫を感染させる)を施しても、感染後15日前後の体重減少は惹起される。つまり、脳内における虫体の存在というより、CD4^+T細胞が関与した脳や髄液への細胞増多を伴う炎症応答が病態発現には重要である可能性がある。
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