研究課題/領域番号 |
11670244
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
青木 克己 (青木 吉己) 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90039925)
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研究分担者 |
藤巻 康教 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (10209083)
勝又 達哉 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (10284712)
丹羽 正美 長崎大学, 医学部, 教授 (20136641)
渡部 幹次 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (70325679)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 住血吸虫 / ミラシジウム / 走化性 / 情報伝達 / cAMP / 筋収縮 / 行動変容 / 貝分泌物 / 走化性運動 / カルシウム / エゼリン / セロトニン / Klinokinesis / 集合 / 遊泳速度 / 方向転換 |
研究概要 |
住血吸虫ミラシジムは中間宿主貝の分泌物に走化性、より正確にいえば、Klinokinesisを示す。本研究はミラシジウムの走化性遊泳行動発現に係る情報伝達経路を明かにし、さらにミラシジウムを誘因する物質を放出可能な貝の特性を明かにすることを目的とした。 1.貝分泌物への走化性運動に関与する情報伝達経路 ミラシジウムの走化性遊泳行動を定性的、定量的に観察できる方法(13x2x1.6mmガラス管にミラシジウムを遊泳させ、その一端に誘因物質を0.5μl注入後、遊泳行動をビデオに記録解析する)を開発した。この方法と薬理学的手法を組み合わせて行った下記する実験結果から、ミラシジウムの貝分泌物への走化性遊泳行動発現にはcAMPが関与し、遊泳行動の変容は体壁筋の収縮によっておこることを明かにした。 (1)cAMPの関与を示す実験結果: 非膜透過性cAMPをガラス管の一端に注入した場合、ミラシジウムの遊泳行動の変化はみられないが、膜透過性cAMPを注入すると注入部位を遊泳する虫体は頻回に方向転換する。同様な行動変容はIBMX注入でもおこる。しかしcGMPではおこらない。cAMPによる行動変容は濃度依存性である。 (2)体壁筋収縮が走化性遊泳運動を発現することを示す実験結果: ガラス管一端にセロトニンを注入すると、ミラシジウムは貝分泌物の注入時と同じ頻回な方向転換を行う。一方エゼリンをあらかじめ与えておくと上記の行動変容は起らない。 2.ミラシジウムを誘因する物質を放出する貝の特性 ミラシジウムの誘因物質を放出する貝はいかなる貝であるかも追求した結果、中間宿主となり得る貝では、年令・住血吸虫感染に関係なく誘因物質を放出し、中間宿主となりえない貝でも強い活性の誘因物質を放出することが明かとなった。
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