研究課題/領域番号 |
11670280
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 岡山大学 (2001) 徳島文理大学 (1999-2000) |
研究代表者 |
岡本 敬の介 岡山大学, 薬学部, 教授 (70131183)
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研究分担者 |
山中 浩泰 徳島文理大学, 薬学部, 助教授 (30202386)
藤井 儀夫 徳島文理大学, 生薬研究所, 助教授 (60122587)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | エンテロトキシン / 大腸菌 / アエロモナス菌 / 分泌 / 細胞膜 / 成熟化 / 膜タンパク / 耐熱性下痢毒素 / 膜タンパク質 / ジスルフィド結合 / 菌対外毒素 / 毒素 / 膜 / 遺伝子 |
研究概要 |
ヒトに下痢を生じる細菌が知られているが、その下痢の多くは菌が菌体外に放出するエンテロトキシンとよばれるタンパク性の毒素の作用で生じている。グラム陰性菌で活性体のタンパクが菌体外へ放出されるためには、細胞質で生合成されたタンパクが内膜、外膜の2層の膜を通過しなくてはならず、しかもその間に活性体へと折り畳まれなければならないので、グラム陰性菌で活性型のタンパクが菌体外へ放出されるという現象はきわめて希にしか生じない。活性エンテロトキシンが菌体外へ放出されなければ、菌は下痢活性を示さないので、この毒素タンパクの成熟化過程はその菌の病原性を理解する上で大切な過程である。 報告者達は大腸菌の耐熱性エンテロトキシン(下痢毒素)(ST)とアエロモナス菌のエンテロトキシンについての成熟化過程を研究した。その結果STは前駆体として細腱質内で合成され、ペリプラスム内でプロセッシングを受け、さらに同場所でDsbAの作用で分子内ジスルフィド結合が架橋され、その後外膜タンパクであるToICの孔を通って菌体外へ移行することがわかった。 アエロモナス菌のエンテロトキシンはペリプラスム内で2量体を形成し、この2量体が菌体外へ移行し、活性を発現する。この2量体の形成にはエンテロトキシンのカルボキシ末端が重要である。2量体が形成できない毒素はタンパク分解酵素で分解されるので、カルボキシ末端は菌の毒性に重要である事が判明した。 この様に本研究で、2つのエンテロトキシンの成熟化過程の概略を明らかにできた。
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