研究課題/領域番号 |
11670292
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土方 誠 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (90202275)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / 肝炎 / 肝臓がん / 持続感染 / アポトーシス / NF-κB / MAPキナーゼ / Elk1 / MAPK / 細胞増殖 / ウイルス持続感染 / コアタンパク質 / 粗面小胞体 |
研究概要 |
本研究はC型肝炎ウイルス(HCV)による肝炎、肝がん発症のメカニズムを明らかにする目的でHCVコアタンパク質によるアポトーシス抑制機構を解析するものである。以下にその研究成果をまとめる。 1.コアタンパク質によるアポトーシス抑制機構のひとつとして重要である細胞性転写因子NF-κB活性化のメカニズムに関する解析結果を以下に示す。 (1)コアタンパク質の欠失変異体解析と細胞内局在性の解析から、このタンパク質が細胞質の特に小胞体膜上に局在化することがそのNF-κB活性化に重要であることを明らかにした。 (2)コアタンパク質のNF-κB活性化に必要な最小領域はそのアミノ末端に存在し、アミノ酸番号20-80の領域で全長のコアタンパク質と同等の活性を有することが明かとなった。 (3)酵母Two-Hybridアッセイ法を用いることで上記コアタンパク質20-80アミノ酸領域と相互作用する活性を有する細胞性因子の候補数種類に対するcDNAをクローニングし、その性状解析をおこなっている。 (4)コアタンパク質はIκBをリン酸化する酵素であるIKKβを発現させた場合に誘導されるNF-κB活性化を増幅させるがIKKβの酵素活性を上昇させることはないため、NF-κB活性化経路内でこの酵素より下流に作用することが明かとなった。 2.NF-κB活性化以外のシグナル経路としてMAPキナーゼシグナル経路に対するコアタンパク質の活性化にメカニズムについても解析をおこない、コアタンパク質はこのシグナル経路の最終段階である転写因子Elk1の転写活性化能を既知のリン酸化とは異なる方法で上昇させる可能性を明らかにした。 以上のようなHCVタンパク質による転写因子の活性化はアポトーシスの抑制と密接に関連しておりHCVの持続感染および肝発がんと関連するため、現在さらに詳細な分子機構について解析を進めている。
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