研究課題/領域番号 |
11670295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊勢川 裕二 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20184583)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ヒトヘルペスウイルス6 / ケモカイン / ケモカイン受容体 / 全塩基配列 / ケモタキシス / シグナル伝達 / ケモカインレセプター / HHV-6 |
研究概要 |
突発性発疹患児から分離したHHV-6B HST株の全塩基配列を決定した。その結果、U83がケモカインホモログ、U12とU51がケモカイン受容体ホモログであった。さらに、U1102株やZ29株と比較した結果、HST株のU83はシグナルペプチドを有しているのに対して、U1102株のU83は有しておらず、分泌されないことが明かとなった。HST株のU12はケモカイン受容体として機能しているのに対し、Z29株のU12はtruncateしており、生物活性を有した蛋白合成は行われない。このことから、in vitroでのウイルスの増殖にU12とU83は必須ではないことが明かとなったが、病原性やin vivoでの局在性に関わっている可能性も示唆された。 HST株のU83がコードしている蛋白の機能解析を行った結果、ウイルス感染の後期に発現し、培養上清にシグナルペプチドが切断された蛋白としてに分泌されること、さらにその切断部位を明かにした。U83とFcとの融合蛋白を発現、精製し、シグナル伝達に対する機能解析に用いた。その結果、単核球のcell lineであるTHP-1に対して細胞内Ca^<2+>濃度を上昇させることとそのシグナル伝達がTHP-1細胞のchemotaxisに関与することを明かにした。以上の結果から、U83は感染細胞内でウイルス粒子が完成後、感染可能な未感染の単核球細胞をchemotaxisにより誘導し、感染細胞から未細胞へ直接感染し、広がっていくことが予測された。 U12発現細胞でのRANTESによる細胞内のCa^<2+>濃度の上昇はIP3を介したものであることが明かとなった。HHV-6感染細胞ではその感染後期にインテグリン関連蛋白が誘導されてくること、U12発現細胞において、細胞凝集が認められた。U12はGiを介してシグナル伝達を行っていないことも明らかにした。以上のことから、U12のシグナル伝達はGqやG_<16>といった本来ケモカイン受容体が用いているGiとは異なるG蛋白を用いて、IP3以外のシグナル伝達系も存在することが示唆された。さらに、このシグナル伝達によりインテグリン関連蛋白が誘導されてくることが予測された。
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