研究課題/領域番号 |
11670306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 国立感染症研究所 (2000) 金沢医科大学 (1999) |
研究代表者 |
小田切 孝人 国立感染症研究所, ウイルス第1部, 室長 (80177237)
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研究分担者 |
大原 義朗 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50203914)
小渕 正次 金沢医科大学, 医学部, 助手 (70257450)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | インフルエンザBウイルス / vRNP複合体 / BM2蛋白 / vRNP細胞内輸送 / vRNPの細胞内輸送 / インフルエンザウイルス / ウイルス粒子形成 / two-hybrid |
研究概要 |
インフルエンザBウイルスの第7分節RNAによってコードされるBM2は、B型ウイルスのみに存在するユニークな蛋白である。我々は11年度の研究成果から、BM2はウイルス粒子中に存在する構成蛋白であることを証明した。さらに、その後の解析からは、COS-1細胞は感染性のないB型ウイルスを産生し、その粒子中にはヌクレオカプシド(vRNP)およびBM2蛋白が殆ど含まれていないことを明らかにした。このことから、BM2蛋白は感染細胞内でvRNPと複合体を形成していること、さらに、COS-1細胞内では、BM2蛋白もvRNPもウイルス粒子出芽部位まで正常に輸送されない可能性などを推定した。12年度においては、これらの点を証明するために、1.Mammalian two-hybrid系およびvRNP分画法を用いて、BM2と結合するウイルス蛋白の同定、2.COS-1細胞内および感染性ウイルスを産生するMDCK細胞内でのvRNPとBM2蛋白の局在、などについて検討した。 これらの解析から、BM2はvRNPの主構成蛋白であるNPとは結合せず、vRNPに結合しているM1蛋白と結合することを解明した。このことは、BM2はM1蛋白との結合をとおしてvRNP複合体に含まれることを示している。一方、MDCK細胞ではBM2もvRNPも感染後期には細胞質全体に広がり、最終的には粒子出芽部位まで輸送されるのに対して、COS-1細胞ではBM2は核膜周辺に蓄積して、細胞質内での拡散は全く見られなかった。これに対応して、vRNPの細胞質内輸送も見られなかった。このことから、vRNPの細胞質内輸送にとってBM2が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。今後は、これらの点に焦点を絞って研究を進展させていきたい。
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