研究課題/領域番号 |
11670364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 九州保健福祉大学 (2000-2001) 東京大学 (1999) |
研究代表者 |
三浦 宏子 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (10183625)
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研究分担者 |
荒井 由美子 国立長寿医療研究センター, 老人ケア部, 室長(研究職) (00232033)
梅内 拓生 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90004936)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 高齢者 / 咀嚼機能 / QOL / 認知機能 / 高次ADL / 咬合力 / 健康習慣 / 現在指数 / 咀嚼能力 / 咀嚼スコア / 老年痴呆 / 身体的健康度 |
研究概要 |
本研究では、高齢者の咀嚼機能の変化が全身の健康状態にどのような影響を与えるのかを調べるために、縦断研究を行った。また、縦断研究以外に年度ごとのデータを用いた断面調査も併せて行い、客観スケールで評価した咀嚼機能と全身の身体的・精神的・社会的健康状態との関連性について明らかにした。咀嚼機能の測定パラメーターは現在歯数、咬合面積、最大咬合力、咀嚼スコアであった。一方、全身の身体的・精神的・社会的健康状態の測定パラメーターは、高次ADLを評価する老研式活動能力指標、認知機能を評価するHDS-R、QOLを評価するPGCモラールスケール、食生活などの健康習慣の獲得状況であった。 平成11年度の断面調査の結果より、咀嚼機能評価値は食事ならびに間食摂取状況などの食生活と密接に関係していることが明らかになった。また、平成12年の断面調査では身体的・社会的健康状態と密接な関連を有する老研式活動能力指標スコアと各咀嚼機能評価値との間には男女とも有意な相関関係が認められた(P<0.01)。また、QOLレベルを表わすPGCモラールスケールと咀嚼機能との関係では、「老化に対する態度に関わる因子」との関連性が認められた。また、認知機能を表わすHDS-Rと各咀嚼機能評価値との間にも有意な関連性が認められた(P<0.01)。 以上、各年度データによる断面調査の結果では、咀嚼機能と高次ADL、認知機能、QOLレベルはいずれも有意な関連性が認められた。最終年度の平成13年度では、これらのデータの蓄積から縦断研究を実施した。この結果、研究期間内に観察された咀嚼機能の変化は、高次ADLならびに認知機能の変化と有意に関係しており(P<0.05)、咀嚼機能が歯科治療などによって改善されると、高次ADLや認知機能も向上することが示された。これらの結果より、高齢者の咀嚼機能の改善は歯科保健状態だけでなく、全身の健康状態の向上にも寄与することが示唆された。
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