研究課題/領域番号 |
11670367
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
市原 学 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90252238)
|
研究分担者 |
柴田 英治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90206128)
那須 民江 信州大学, 医学部, 講師 (10020794)
竹内 康浩 名古屋大学, 医学部, 教授 (90022805)
山田 哲也 名古屋大学, 医学部, 助手 (90303635)
上島 通浩 名古屋大学, 医学部, 講師 (80281070)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | フロン代替物質 / 1-ブロモプロパン / 神経毒性 / 生殖毒性 / 精子放出 / グルタチオン / クレマチンキナーゼ / SH基 / 2-ブロモプロパン / バイオマーカー / クレアチンキナーゼ / スルフヒドリル基 / 中枢神経 / 酵素免疫法 / ヒートショック蛋白 |
研究概要 |
1.1-ブロモプロパン(1-BP)による神経、生殖器障害の機序解明 ウィスター系雄ラット44匹を11匹ずつの4群に分け、1-BP200ppm、400ppm、800ppmを一日8時間、12週間、吸入暴露させた。対照群には新鮮空気のみを与えた。その結果、量依存的な(1)四肢筋力の低下、(2)ラット尾神経の遠位潜時の延長、(3)運動神経伝導速度の低下、(4)末梢神経ミエリンの変性、(5)延髄後索核前末端の膨大、(6)横紋筋の筋繊維配列の乱れ、(7)精巣上体精子数減少、(8)精子運動率の低下、(9)形態異常精子の増加、(10)Step19精子細胞のPostSpermiationStageでの残留の増加、を観察した。1-BPが神経毒性をもつとともに、精子形成の最終ステップである精巣セルトリ細胞からの精子放出を障害することを明らかにした。 2.中枢神経における分子標的の検索 32匹のウィスター系雄ラットを4群に分け、1.と同じ濃度段階で、7日間および12週間の暴露を行った。7日間暴露では総CK活性は脳の全部位で量依存的に低下した。大脳、小脳、脳幹では非蛋白SH基が減少し、総グルタチオンは大脳、小脳のみで有意な減少を示した。12週暴露では、蛋白SH基の減少も観察された。以上より1-BPは脳内のSH基を修飾するとともに、CK活性を低下させることが示唆された 3.暴露労働者における検討 29人の1-BP工場労働者の尿を酢酸エチルで抽出、乾燥させ、4-tert-butyldimethylsiloxy-3-pentene-2-oneで誘導体化した後、メルカプツール酸抱合体をGC-MSで定量した。その結果、ヒトにおいてN-acetyl-S-propylcysteineが主な尿中代謝物であることがわかった。1-BPはヒトの体内においてグルタチオンのSH基と反応し、抱合体を形成することが示唆された。
|